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2024年7月4日【イベント】

三菱ラリーアート、アジアクロスカントリーラリーに参戦

坂上 賢治

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三菱自動車工業が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」は、8月11日~17日に期間でタイ南部~中部で開催されるアジアクロスカントリーラリー(以下、AXCR)に新型トライトンの4台体制で参戦する

 

ピックアップトラックのトライトンでのAXCR参戦は今年で3年目を迎える。参戦初年度で総合優勝を果たすと、新型モデルに切り替えた昨年度は総合3位に入賞するなど、トライトンは高い耐久性を発揮。今年度は主に動力性能を大幅に高め、2年ぶりの総合優勝を目指す。

 

今回参戦するチーム三菱ラリーアートは、タントスポーツ(タイ)が運営し、三菱自動車からはダカールラリーで2連覇した実績をもつ増岡浩氏が総監督として参画。開発部門のエンジニアも参戦車両の開発を行うと共に、競技期間中はチームに帯同してテクニカルサポートも行う。

 

ドライバー/コドライバーは、2022年大会で総合優勝を果たしたチャヤポン・ヨーター選手(タイ)/ピーラポン・ソムバットウォン選手(タイ)、2023年大会で日本人ペア最上位の8位となった田口 勝彦選手/保井 隆宏選手も引き続き起用。

 

加えて経験豊富で三菱車を熟知するサクチャイ・ハーントラクーン選手(タイ)/ジュンポン・ドゥアンティップ選手(タイ)、更に三菱自動車開発部門のテストドライバーである小出 一登選手、そのコドライバーにはAXCRで入賞経験のある千葉 栄二選手を起用。新型『トライトン』のT1仕様(改造クロスカントリー車両)で王座奪還に挑む。

 

なお今回は、昨年の参戦結果を振り返り、高速ステージで大排気量の競合車に対抗できるよう動力性能を大幅に向上させ、トルク容量の大きい競技用トランスミッションを新たに採用するなど耐久性と操作性を向上させた。

 

また、トレッドを拡大してリヤサスペンションをリーフスプリング式からコイルスプリングを用いた4リンクリジッド式に変更することで荒れた路面からの大きな衝撃を吸収。凹凸の激しい路面での追従性を高めることで悪路走破性を大幅に向上させている。

 

参戦チームは6月21日~27日にタイの中央、カオヤイ国立公園周辺のオフロードコースで本番を想定した高負荷の耐久テストを実施。今回の耐久テストでは、7日間で約800km走り込み、加速性能を強化したエンジンや車体の信頼性・耐久性を確認しながら、本番に向けた調整を行った。

 

今年の取り組みについてチーム三菱ラリーアート総監督の増岡 浩氏は、「昨年は発売直後の新型トライトンで2連覇に挑みましたが、ポテンシャルを十分に引き出すことができず3位入賞に終わりました。

 

今年のトライトンは、主に動力性能と悪路走破性を大幅に高め、4台体制に強化して王座奪還に挑みます。

 

また今年は、これまで長年に亘り、私と一緒に三菱車の開発に携わってきたテストドライバーである小出が参戦します。過酷なモータースポーツ現場での経験をクルマづくりに活かすという三菱自動車らしいクルマづくりの伝統を、次の世代にしっかりと受け継いでいきたいと考えています」と述べた。

 

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(1).「チーム三菱ラリーアート」チームプロフィール

– 総監督:増岡 浩(三菱自動車)
– チーム代表:シャユット・ヤンピシット(タイ:タントスポーツ)
– テクニカルディレクター:コーポン・アマータヤクン(タイ:タントスポーツ)
– テクニカルサポート:相羽 規芳 (三菱自動車:車体)
– 牧田 哲也、築城 政隆(三菱自動車:エンジン)

 

出場ドライバー/コドライバー:
– チャヤポン・ヨーター
出身:タイ・ウドーン タニ
生年月日:1987年8月16日(36歳)
略歴:タイ国内の数多くのラリーやレースで活躍中。AXCR2022では、「チーム三菱ラリーアート」に初出場初優勝をもたらし、前回大会では3位入賞。
– コドライバー:ピーラポン・ソムバットウォン(タイ)

 

– 田口 勝彦
出身:日本・岡山県
生年月日:1972年2月7日(52歳)
略歴:2007年ラリージャパン・グループN優勝。その他FIAアジアパシフィックラリー選手権(APRC)王者に2度輝く等、海外でも活躍。
– コドライバー:保井 隆宏

 

– サクチャイ・ハーントラクーン
出身:タイ・チェンマイ
生年月日:1962年11月29日(61歳)
略歴:30年以上のラリー経験を持ち、1996年のダカールラリーで三菱パジェロをドライブするなど、三菱車に精通。
– コドライバー:ジュンポン・ドゥアンティップ (タイ)

 

– 小出 一登(こいでかずと)
出身:日本・愛知県
生年月日:1979年6月19日(45歳)
略歴:1998年4月、三菱自動車入社。社内テストドライバーとして『パジェロ』、『ランサーエボリューション』等の車両試験を担当。現在はそれに加え、社内の運転教育インストラクター、国内外イベント等でデモンストレーションドライバーを務める。
– コドライバー:千葉 栄二

 

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(2).『トライトン』ラリーカー概要
– 全長×全幅 5,320mm×1,995mm
ホイールベース 3,130mm
– トレッド 1,730mm
– エンジン型式 4N16
(インタークーラー付ターボーチャージャー)
– 燃料噴射装置 高圧コモンレール式DI-D
– 排気量 2,439㏄
– ターボチャージャー 「三菱重工エンジン&ターボチャージャ」製
– 最高出力 150kW以上
– 最大トルク 470N・m以上
– エキゾーストシステム 「HKS」製
– AXCR 2024コンペティションモデル
– 変速機 6速シーケンシャルトランスミッション
– 「Moty’s」製ギヤオイル
– 4WDシステム フルタイム4WD
– フロント/リヤデフ 「CUSCO」製 LSD
– フロントサスペンション 独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
– リヤサスペンション 4リンクリジッド式コイルスプリング
– ショックアブソーバー 「CUSCO」製 減衰力調整式ツインダンパー
– バンプストッパー 油圧式
– ステアリング形式 ラック&ピニオン(パワーステアリング)
– ブレーキ 「ENDLESS」製モノブロックブレーキキャリパー、
– ベンチレーテッドディスク、パッド
– 「FORTEC」製競技用ブレーキフルード
– ホイール 「WORK」製 アルミニウムホイール(17in×7J)
– タイヤ 「横浜ゴム」製 GEOLANDAR M/T G003
(245/75R17)
– その他特長 カーボン製:フロントフェンダー、前後ドアパネル、カーゴアウターパネル

 

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(3). パートナー企業(50音順、2024年7月4日時点)
企業名 :サポート内容
ENEOS株式会社 :エンジンオイルの提供
株式会社エッチ・ケー・エス :ラリーエンジン開発協力
株式会社エンドレスアドバンス :ブレーキキャリパー、ローター、パッドの提供
株式会社キャロッセ :前後サスペンション、前後LSDの開発協力、提供
株式会社トライボジャパン :ギヤオイルの提供
株式会社阪急阪神エクスプレス :活動支援
株式会社ワーク :アルミホイール(CRAG T-GRABICⅡ)の提供
TPR株式会社 :ピストンリングの提供、活動支援
フォルテック株式会社 :レーシングクーラント、ブレーキフルードの提供
三菱自動車販売協会 :活動支援
三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 :ターボチャージャーの提供
横浜ゴム株式会社 :マッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR M/T G003」の提供
有限会社CARRY ART: 活動支援

 

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(4).大会概要
AXCRはアセアン最大規模のクロスカントリーラリー。29回目の開催となる今年は、8月11日(日)にタイ南部、タイランド湾に面するスラタニでのセレモニアルスタートによって開幕し、翌12日(月)から本格的な競技がスタート。

 

当初発表されていたコースから変更となり、スタート後はタイ国内をミャンマーとの国境に沿うように北上。王室の保養地として有名なリゾート地であるホアヒンを通り、17日(土)には、バンコクから約130km程西に位置するカンチャナブリでゴールを迎える。

 

総走行距離は約2,400km、スペシャルステージと呼ばれる競技区間はその内1,000kmを超える見込みで、コースは山岳部、密林地帯、川渡りなど変化に富み、走破性と耐久性、さらに今年はスピードが問われる難コースが予想される。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。