三菱パワーは5月20日、スペインの大手電力会社イベルドローラ社(Iberdrola, S.A.)と、世界各国・地域における産業分野の脱炭素化促進のため、再生可能エネルギーをベースとした競争力のあるクリーンかつ安全なエネルギーソリューションの共同開発に向けて協業することで合意したと発表した。
短期・中期的にカーボンニュートラル産業の振興をはかることを目的に、環境への悪影響がない水電解生成による水素(グリーン水素)の製造設備、バッテリー貯蔵システム、電化熱供給装置の開発を進めていく。
今回、三菱パワーの社長兼CEOである河相 健とイベルドローラ社発電部門のディレクターであるアイトール・モソ(Aitor Moso)氏は、両社のメンバーによるチームを結成し、脱炭素化が最も困難な分野の一つである産業部門向けに大規模かつカーボンフリーな再生可能エネルギー発電・貯蔵プロジェクトを創出するための共同協定に署名した。
三菱パワーの河相社長は次のように述べている。「イベルドローラ社と三菱パワーは、高効率なガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)プロジェクトの開発を通して発電分野における脱炭素化に向け協力してきました。このGTCCプロジェクトでの協業経験を活かし、電力および産業分野の脱炭素化に必要な水素インフラ、バッテリーによるエネルギー貯蔵システム、電力による熱供給システムを開発・展開します。イベルドローラ社との共同開発は、カーボンニュートラルを実現する革新的な発電技術と蓄電ソリューションにより、持続可能な未来の実現に取り組むという当社のミッションを果たすものです」。
一方、イベルドローラ社のモソディレクターは次のように述べている。「今回の両社による合意は、脱炭素化が最も困難な分野の一つである産業分野において主要企業とのパートナーシップを構築し、短期・中期的に効率的な電化を進めるという当社の戦略にとって非常に重要なマイルストーンです。産業界の製造プロセスにおいて、熱供給の電化、バッテリーによる貯蔵、グリーン水素などの再生可能エネルギーを活用したソリューションを普及させることで、産業と雇用の発展に資する、より持続可能で排出フリーの経済モデルを構築するという喫緊かつ普遍的な目標の達成に向け、当社の強みを結集していきます」。