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2021年6月18日【SDGs】

三菱パワーら4者、木くず由来SAFを航空定期便に供給

NEXT MOBILITY編集部

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三菱パワーは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオジェット燃料生産技術開発事業」による委託を受けて4事業者共同で取り組む木質系バイオマスを原料とした燃料生産技術の開発を実施しており、今回、完成したバイオジェット燃料が、持続可能な代替航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)として、世界で初めて航空定期便に供給されたと、6月18日発表した。

 

この燃料は、ガス化した木質セルロースから液体燃料を合成するガス化FT合成技術により生産したもので、SAFの国際規格である「ASTM D7566」への適合が確認されている。

 

この燃料生産技術の開発は、共同4事業者のうち株式会社JERAの新名古屋火力発電所(名古屋市港区)構内に建設したパイロットプラントで原料に木くずを使用し、SAFを一貫生産する実証試験を通じて行われた。JERAが原料調達とパイロットプラントの運転、三菱パワーが噴流床ガス化技術を用いて原料をガス化、東洋エンジニアリング株式会社(TOYO)が生成ガスからの液体燃料合成・蒸留と石油系ジェット燃料との混合以後のサプライチェーン構築を担当し、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が製造されたSAFの燃焼における性能特性評価試験を実施するなど、各事業者の技術・ノウハウを結集した。

 

三菱パワーは、1980年代から石炭やバイオマスなどの燃料ガス化について研究開発を重ね、高性能なガス化炉技術を確立している。これまでの石炭やバイオマスなどの燃料ガス化のノウハウを活かしつつ、今回のプロジェクトでは中核となる常圧酸素/水蒸気吹き噴流床ガス化技術により、液体燃料合成に好適なガスを長期にわたり安定的かつ効率的に供給できることを実証した。この設備は粉砕が難しく幅広い粒径分布を有するバイオマス利用にも対応したガス化炉を採用し、なおかつ流動層ガス化炉等の他方式と比べて安定した組成のガスをFT合成装置(一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて液体炭化水素を合成する)に供給することを実現したもので、この技術により大容量かつ安定したガス生成が可能となる。

 

国際民間航空機関(ICAO)や国際航空運送協会(IATA)は、温室効果ガスの排出量削減による地球温暖化抑止対策を共通のテーマとして掲げており、特にSAFの導入を有効な手段の一つとして位置づけている。

 

三菱パワーは、今後想定されるSAFの本格普及に向けて各事業者と安定的かつ効率的な供給に取り組むことで、世界規模で行われる航空分野での温室効果ガス低減に向けた道筋となるとし、今後も、バイオジェット燃料生産技術の確立に向けた取り組みを推進し、航空分野における脱炭素化を実現することで、地球環境の負荷低減に貢献していくとしている。

 

 

【木くず由来SAFによる国内線定期便の概要】
日付:2021年6月17日
便名:日本航空515便
区間:東京国際空港から新千歳空港
機材:エアバスA350-900

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。