三菱自動車工業、ゼンリン、ゼンリンデータコムの3社は9月20日、国内初となる電動車の走行傾向等を可視化する「EV行動分析レポート」の提供を開始した。

この「EV行動分析レポート」は、三菱自動車の電動車から取得した1日の走行距離や走行エリア、充電場所、SOC(充電率)、公共充電器での充電履歴、その他を匿名化し、ビックデータとしてゼンリンが保有する地図情報やゼンリンデータコムの位置情報解析プラットフォームとかけ合わせることで、国内の電動車の利用傾向を可視化し、地方自治体やインフラ事業者へ有償で提供するもの。

分析イメージ

電動車の走行特性分析

走行地点とSOC(充電率)の関係分析

今回、この「EV行動分析レポート」の提供を開始する背景には、政府が2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言。電動車の普及促進を強く押し進めているため。

また経済産業省の「充電インフラ整備促進に向けた指針」でも、公共用の急速充電器３万口を含む充電インフラ30万口の整備を2030年に向けて目指す事を掲げている。

そうしたなかで「EV行動分析レポート」は、自治体やインフラ事業者等は、将来的な電力需要やインフラコストの試算、充電器設置場所の検討を行う際に「EV行動分析レポート」が役立つ。

情報収集にあたり三菱自動車は、世界初の量産EVメーカーであることの強みを活かし、ゼンリンは現地調査による「時空間データベース」を整備。更に個々のEV充電スタンドの出力情報、営業時間、到着地点、満空情報などの収集。ゼンリンデータコムは、保有の位置情報を活用した統計データを役立てて「EV行動分析レポート」を作成。計画的な充電インフラの整備・拡充による電動車の普及促進への貢献、カーボンニュートラル社会の実現をサポートしていく構えだ。