三菱重工グループの三菱ロジスネクスト は3月28日、物流サービスなどを手掛ける鴻池運輸と共同実施していた、無人フォークリフト(AGF:Automated Guided Forklift)によるトラックへの荷積み自動化システムの実証実験を完了し、今月からその実運用を鴻池運輸で開始した。
現状、トラックへの荷積み作業は、屋内物流に於ける棚やコンベヤーなどの固定設備に対する荷役とは異なり、トラックの車種や停車位置の違いに応じて積載位置の補正が必要であること、またトラックの滞留時間削減に伴う搬送時間の制約もあることから、有人フォークリフトでの作業が中心となっている。
三菱ロジスネクストは今回、鴻池運輸との共同で行ってきた実証実験を通じて、これらの課題に対応する制御とセンシングに関する新たな技術を開発。所定の駐車スペースに停められた任意のトラックにAGF2台で積載を行う自動化システムを構築した。
このシステムでは、変化する積載位置に応じてAGFが自らの判断で最適に稼働し、有人フォークリフト作業と同等の精度と時間でトラックへの荷積みが可能。今回の積載条件であれば大型トラック1台に対し15分以内で満載できる。
三菱ロジスネクストでは、引き続き、鴻池運輸での実運用から得られる知見を基に、改良と機能追加を行い、能力の向上を図っていく予定。今後も長年培った技術力を活かした製品開発に取り組み、「物流2024年問題」に代表される物流業界の課題解決に向けたソリューションを提供していくとしている。