自動運転社会の実現に向け、三菱重工グループの多様な技術を活用
三菱重工業、三菱重工機械システム、三菱重工エンジニアリングの3社は10月5日、中日本高速道路( NEXCO中日本 )が建設する「E1A新東名高速道路」の一部区間で2023年度に実施予定のV2I実証を行う。( 坂上 賢治 )
V2Iは路車間通信( ICT通信機能を有するコネクテッド車両とインフラ設備の無線通信 )を指すもので、かつてITSを主導した三菱重工グループならではの技術を集結。自動運転社会の実現に向けた路車間通信システム案を構築していく。
事業名は「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」で、リスクの可視化を手掛けるスペクティが事業を主催する公募に共同応募し採用されたもの。
新東名の未供用区間で「路上障害情報」「最適な速度情報」「追随走行支援」を検証
実証は未供用区間である神奈川県の新秦野ICから静岡県の新御殿場ICまでのうち、静岡県内の約4kmを使って行われる。
具体的には、自動運転車両の車載センサーでは検知できない前方の「先読み情報」をV2Iによって自動運転車両へ配信し余裕を持った回避行動を実現させたり、先頭車に後続車が接近して走行することで空気抵抗を低減し省エネ運転を実現する自動追随走行を成立させるなどを検証する。
三菱重工グループは今回の検証に、高速道路の料金徴収や都市部の混雑課金(ロードプライシング)などで培ってきたセンサー/通信技術や、地上・車上システム間の協調によって安全性を担保する鉄道技術も活用する。
MHI-MSが有するセンサー通信技術、鉄道システム構築等の知見を実証実験に活用
これらの技術は、自動運転車やICT端末としての機能を有するコネクテッドカーの普及率・通行車両に占める混入率が低い時点でも、V2Iで得られた車両運行情報はリアルタイム性の高い道路交通情報・安全情報に活用できるため、交通事故の低減や道路運営の高度化という、通行する全ての車両の利益につながるものとして期待されています。
三菱重工グループは、2021事業計画の成長戦略の一環として、カーボンニュートラル社会の実現に向けた「社会インフラのスマート化」によるソリューションビジネスの開拓に取り組んでおり、本プロジェクトは「CASE化を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの一つに相当します。
今回の実証実験への参画を通じ、交通関連分野のインフラ整備などで長年培ってきたグループの総合力を発揮し、AI・デジタル化の活用による自動運転社会の実現を目指していきますと話している。
三菱重工業
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