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2022年1月27日【SDGs】

三菱重工、カーボンニュートラル実現に向け日米協力を推進

NEXT MOBILITY編集部

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三菱重工・ロゴ

 

 

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」)と三菱重工業(以下「MHI」)、三菱FBRシステムズ(以下「MFBR」)は1月27日、ARDPの中でナトリウム冷却高速炉「Natrium」を開発している米国テラパワー社と協議を進め「ナトリウム冷却高速炉技術に関する覚書き」を締結した。

 

温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル実現に向けた動きが世界的に加速しており、多くの国で脱炭素エネルギーとしての原子力の重要性が指摘されている。日本も海外の次世代革新炉開発と連携して多様な原子力技術のイノベーションを加速していくこととしている。その一環として、米国エネルギー省のサポートの下、先進的原子炉設計の実証プログラム(ARDP)としてナトリウム冷却高速炉を含む第4世代炉の実証炉開発を開始し世界をリードしようとしている米国と、高速炉開発協力を進めようとしていた。

 

脱炭素エネルギーとして原子力エネルギーを持続的かつ安定に利用していくためには、高い安全性、経済性に加えて、放射性廃棄物の減容・有害度低減やウラン資源の有効利用等を実現する第4世代原子力システムの開発が必要となる。その中でもナトリウム冷却高速炉は最も有望な技術のひとつと位置付けられている。高速炉開発の「戦略ロードマップ」(2018年12月原子力関係閣僚会議決定)では、「民間によるイノベーションの活用による多様な技術間競争の促進」と並行し日米、日仏等との国際協力により「実用化のための基盤技術の確立とイノベーションの促進」をその方針としている。また、「2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(2021年6月)においても、国際連携を活用して高速炉開発を着実に推進する方針としている(米国や仏国との国際連携を、JAEAの実験炉・原型炉の運転・保守データ、試験施設等も活用して推進)。

 

2020年5月14日に米国エネルギー省(DOE)は、米国内原子力産業界を支援する先進的原子炉設計の実証に対し資金負担によりこれを支援するARDPを開始した。そこでは、ビル・ゲイツ氏が会長を務める原子力開発ベンチャー企業であるテラパワー社の高速炉概念「Natrium」を2020年10月13日にARDPの支援対象として選定し、世界の次世代炉開発をリードすべく2028年のナトリウム冷却高速炉の実証炉の運転開始を目指し、その開発を開始した。なお、「Natrium」はテラパワー社とGE日立・ニュクリアエナジーの技術。

 

このため「戦略ロードマップ」の方針および米国の開発状況を踏まえ、日米におけるナトリウム冷却炉高速炉技術開発に係わる協力の第一段階として、テラパワー社の「Natrium」開発への協力について覚書きを締結した。テラパワー社は、「Natrium」の運転開始のため、「常陽」、「もんじゅ」、JSFR設計等を通して得られた高速炉に係る原子力機構(JAEA)のノウハウや試験施設、日本企業の機器設計・製造技術に注目しており、JAEA、MHI、MFBR、テラパワー社の四者で、相互の技術の情報交換を行った上で、燃料交換機や破損燃料検出系を含むナトリウム冷却炉に特有な技術など高速炉の開発協力について協議を進めることに合意した。日本側産業界として、日立GEニュークリア・エナジー、東芝エネルギーシステムズ、富士電機等の「常陽」、「もんじゅ」建設に携わった知見を活用し、協力への参画も含め検討していく。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。