三菱重工業は10月26日、英国のグラスゴーで開催される「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」の併催イベントで環境省が主催する「COP26 ジャパン・パビリオン」に出展すると発表した。
2021年10月31日(日)から11月12日(金)まで開催されるこのイベントは、日本の最先端環境技術を世界に紹介するもので、同社は「火力発電を脱炭素化する水素ガスタービン技術」の模型を展示するとともに、「CO2エコシステム構築への取り組みとCO2回収技術」について紹介する。
水素ガスタービンは、水素社会実現に向けたエネルギーの脱炭素化および地球環境保全に貢献する最先端のクリーン発電技術。同社グループでは、世界最高クラスの効率と信頼性を有する大型ガスタービン技術をベースに水素燃焼技術の開発に取り組んでおり、半世紀にわたり水素リッチ燃料を発電利用してきた豊富な実績と経験を生かし、低NOxかつ高効率の大型ガスタービン向けに既存の燃焼技術をもとに30%の水素混焼を達成している。また、水素特有の燃焼速度の速さなどに起因する課題をクリアし水素100%専焼を実現する、次世代の燃焼方式についても鋭意開発を進めている。さらに、脱炭素技術の社会実装を世界規模で進めるために、欧州、米国、豪州をはじめ、世界各地で水素ガスタービンを活用したCO2フリーな火力発電の取り組みに参画している。
また近年では、CCUSはカーボンニュートラル社会の実現に不可欠と考えられるようになった。同社グループと関西電力が共同開発した「KM CDR Process ™」は世界中に13基の納入実績を有するCO2回収技術であり、また「Advanced KM CDR Process ™」で用いられる新型アミン吸収液「KS-21 ™」は、このほど行われた実証試験においてさらに優れた回収性能を有することが確認された。排ガスからのCO2回収分野におけるマーケットリーダーである同社グループはこれに加え、多様な排出源からのCO2回収(CO2NTAIN)、 CO2の輸送船やコンプレッサ、さらにはCO2NNEXなどの活用によるCCUSバリューチェーンの構築(CO2NNECT)、そしてCO2 の転換利用(CO2NVERT)などといったCO2エコシステムの構築にも積極的に取り組んでいる。