三菱重工は1月26日、欧州現地法人 三菱パワーヨーロッパ(Mitsubishi Power Europe GmbH)が、スウェーデンの地域冷暖房および電力供給で最大の現地プロバイダーであるストックホルム・エクセルギー社(Stockholm Exergi AB)と、首都ストックホルム市内にある同社最大の熱電併給プラントKraftvärmeverk1(KVV1)の設備近代化に関するサービス工事契約を締結したと発表した。
同発電所は化石燃料焚きとして1976年に建設されたもので、今回の大規模改修では、バイオオイルに代表される持続可能なリサイクル燃料に転換するためボイラーのアップグレードを行う。また、制御システムを最新の分散制御システム(DCS:Distributed Control System)に近代化、NOx(窒素酸化物)排出量を削減するために新しい低NOxバーナーを採用。このプロジェクトには、バイオ燃料に対応するための燃焼システムの変更のほか、耐圧部品や主要補機の交換や補修も含まれており、改修のため夏季に予定されている2回の停止期間を経て、2023年冬季に稼動を開始する予定としている。
今回の改修で、エネルギー効率の向上および地域内における再生可能エネルギー由来電力の発電が可能になる。バイオオイルはNOxの発生量が非常に少ないため、ボイラーの改修と低NOxバーナーの導入により大幅なNOx削減をはかることができる。また、統合されたDCSによりプラントの効率や信頼性、システムの稼働率が向上し、リモート監視、制御、ならびに帳票作成が可能となる。いずれも、リーズナブルな電力価格と高い信頼性を確保しつつ、NOx排出量削減を達成する重要な鍵となる。