三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は7月15日、AI(人工知能)と機械学習を活用した次世代の配送計画ソフトウェアを開発する米国の「Wise Systems社(本社:マサチューセッツ州)」と業務提携に関する契約を締結したと発表した。
MFTBCは、この業務提携により、Wise Systems社の日本国内のパートナーとして、同社の次世代配送計画システム「ワイズ・システムズ」を今年第4四半期より販売する。
ワイズ・システムズは、FUSOトラックに限らず、全てのブランドのあらゆる種類の車両で利用可能な、ラストワンマイル配送プロセスを効率化するクラウド及びスマートフォンベースのソフトウェア。AIと機械学習を駆使し、配送オーダー、荷物、ドライバーや車両、交通状況といった配送に関連するあらゆる情報を取り入れ、ルート計画アルゴリズムが配送ルートやトラックおよびドライバーを選定し、最適な配送計画を自動作成する。
作成された配送計画は、ドライバーの端末へ配信され、リアルタイムで配送状況を追跡し、その進捗を更新。配送担当者は、日々のルート計画に要する時間を短縮できる他、配送状況の可視化により、車両の稼働や配送状況をリアルタイムで把握。ドライバーは、スマートフォンアプリでルートの確認や配達完了通知を簡単に実行することができる。また、荷物を受け取るエンドカスタマーも、配送状況をリアルタイムで把握可能なため、到着予定時間も予め把握することができると云う。
システムは、AIと機械学習によって車両オペレーションに関わるリアルタイムのデータを継続的に学習することで、稼働率、パフォーマンスおよび顧客サービスを継続的に改善し、その性能を向上。従来ベテランの配車担当者が長年の経験で行っていたルートの提案を、機械学習によって頻繁に利用するルートなどを学ぶことで、回数を重ねるごとに効率的な配送計画を提案。主に、食品・飲料、宅配便、フィールドサービスや各種ビジネス向けのラストワンマイル配送に適していると云う。
なお米国ユーザー企業においては、平均で走行距離の15%削減や稼働率20%向上、配送遅延を最大80%解消した実績に加え、走行距離とCO2を15%削減した実績も。また運行効率化による深刻なドライバー不足へのソリューションとしても期待されている。
MFTBCは、2017年から車両や車両の運行状態をリアルタイムで管理するテレマティクス機能「Truckonnect(トラックコネクト/※)」の新型車両への搭載を進め、現在では全ての新型トラックへの搭載を完了。今回のWise Systems社との業務提携を契機に、車両管理に加え、物流・配送プロセスに関わる全てのニーズに迅速に対応するソリューションを提供する企業として、更なる進化を遂げていきたいとしている。
※)トラックコネクト:車両の位置情報、安全スコア、車両の稼働率や燃費などの車両に関する情報をリアルタイムで確認出来ると同時に、リアルタイムの遠隔診断を通じて車両のトラブルを検知するテレマティクス機能。また、デジタルタコグラフの基本項目の確認もできるため、車両運行管理者はPCから、より正確な運転状況に関する情報を得ることも可能。トラックコネクトは、ふそうブランドの新型トラックを対象に、3年間の無料トライアル期間が提供される(別途サービスへの申し込みが必要)。
[各会社代表者のコメント]
MFTBC代表取締役社長・CEO兼ダイムラー・トラック・アジア代表 ハートムット=シック氏
「当社はお客様へのサービスを最優先にし、物流と配送におけるニーズにタイムリーに対応することを第一の目的にWise Systems社と業務提携を締結しました。最先端の配送計画システムを日本に導入することにより、フリート顧客がラストワンマイルの物流業務をより効率的に実行できるだけでなく、車両の運行を最適化することにより市中走行におけるCO2排出量を大幅に削減することができます」。
Wise Systems共同創設者兼CEO チャズ=シムズ氏
「MFTBCと共同で当社の製品を日本のお客様に提供できることを光栄に思います。 両社は、お客様をより成功させることに重点を置いています。 ダイナミックなオペレーションと、ドライバー、配車担当者、エンドカスタマー向けの直感的で高品質な機能を組み合わせることで、市場での優位性とクラスリードのラストワンマイル配送をご提供します」。
■(MFTBC)ワイズ・システムズ:https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/product/wise-systems/
■Wise Systems:https://www.wisesystems.com/