三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は9月16日、ダイムラートラック社取締役会の決定に基づく以下の役員人事を発表した。
・現ダイムラートラック社取締役、ダイムラー・トラック・アジア(DTA)代表 兼 MFTBC代表取締役社長・CEOのハートムット=シック(Hartmut Schick)氏が12月31日付でDTA代表およびMFTBC代表取締役社長・CEOを退任し、その後任としてカール=デッペン(Karl Deppen)氏が12月1日付で着任する。
なお、以上の人事は、後日開催する臨時株主総会の承認を経て、正式決定される。
12月31日付でDTAの代表および、MFTBCの代表取締役社長・CEOを退任するハートムット=シック氏は、機械工学を学んだ後、1986年に当時のダイムラーベンツ社の研究開発部門に入社。乗用車の製造部門に転じた後、1990年からはミュンヘンの旧ダイムラークライスラーエアロスペース社(DASA)のマーケティング部門へ移り、1993年には同社の社長室長となった。
その後、1995年にシュトゥットガルトの本社に戻り、ダイムラーベンツ社の取締役会会長室事務局長に就任。1997年には、生産と物流の責任者として、ブラジルでメルセデス・ベンツのジュイス・デ・フォラ工場拡大を担当。
1999年にダイムラークライスラー社の取締役会会長室長、2002年からはダイムラーグループ広報本部長となり、2009年からはダイムラーバス部門の代表とエボバス社の代表取締役に着任し、2018年4月から、ダイムラートラック部門のアジア事業の責任者を務めてきた。
ハートムット=シック氏の後任となるカール=デッペン氏は、1990年にダイムラーグループに加わり、主に商用車を中心に、購買や物流分野で様々な管理職を2007年まで経験。米国やトルコ、日本での勤務を経験し、日本では、MFTBCで購買と輸送物流部門の責任者を務めた経歴を持つ。
2007年からメルセデス・ベンツブランドトラック「アテゴ」の戦略的プロジェクト管理責任者、2011年から14年まではダイムラー社のグローバル経営責任者となり、その後ダイムラーグレーターチャイナ社にCFOとして赴任。メルセデス・ベンツ社でのコスト管理責任者を経て、2020年5月からメルセデス・ベンツブラジル社のCEOとして、ラテンアメリカにおけるメルセデス・ベンツブランドの商用車事業を担当している。
今回のDTAおよび三菱ふそうの役員人事に際し、ダイムラー社取締役 兼 ダイムラートラック社代表取締役のマーティン=ダウム氏は、以下のように話している。
「アジアにおける我々の目標は、収益性とダイムラートラック社への潜在的な利益貢献を高め、地域需要を把握し最適な商品やサービスを提供することです。私たちは、アジアを中期的に最も成長が見込まれる地域と考えています。取締役会と監査役会を代表し、早い段階からゼロ・エミッション車両を推進するなど、その特筆すべき貢献に対し、ハートムット=シック氏に最大限の謝意を申し上げます。同時に、アジアでも豊富な経験を持ち、国際的に商用車ビジネスを熟知しているカール=デッペン氏を後任として迎えられることを、喜ばしく思います。我々はすでにアジアで非常に有利な立場にあり、ビジネスを次のレベルに引き上げる準備が整っています」。
また、三菱ふそうトラック・バス代表取締役会長の松永和夫氏は、以下のように話している。
「2018年4月に代表取締役社長・CEOに着任されたハートムット=シック氏は、自動車業界の大転換期と呼ばれる時代にMFTBCをその卓越した手腕で強力に統率してこられました。日本および海外の商用車市場において次世代技術である電動化・高度運転支援技術・コネクテッド化を積極的に推進し業界をリードされました。また、日本の文化・社会に対する深い理解の下に抜群の包容力で仕事に当たり、従業員ばかりでなく、企業関係者からも幅広く人望を集めました。これまでの彼の多大な貢献に深く感謝するとともに、後任であるカール=デッペン氏がMFTBCの発展と社会への貢献をさらに推進するリーダーとなることを信じています」。