三菱ふそうトラック・バス(以下「MFTBC」)は7月19日、すべてのMFTBCの工場のカーボンニュートラル化に挑戦すると発表した。
MFTBCによると、ポルトガルに所在する連結子会社三菱ふそうトラック・ヨーロッパ(以下「MFTE」)のトラマガル工場は、2022年までにカーボンニュートラルとなる見込み。日本国内の工場は2039年までのカーボンニュートラル化を目標とする。なお、MFTBCの川崎・中津の両工場では、すでに二酸化炭素(CO2)排出量を2015年比で17%削減している。
近年、世界中でカーボンニュートラルへの取り組みが加速している。日本政府は、2021年6月に閣議決定した成長戦略実行計画の中で「自動車分野においては、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル化」を目指すと述べた。
このような中でMFTBCは、ダイムラートラック社の一員として、同社が全世界の製造拠点をカーボンニュートラルにするという目標に沿い活動している。
ポルトガル・トラマガル工場
■トラマガル工場は2022年までにカーボンニュートラル化を達成
MFTEは、ふそうの小型トラック「キャンター」と電気小型トラック「eCanter」の、欧州における生産の中心トラマガル工場(ポルトガル)が、2022年末までにカーボンニュートラルとなり、サステナブルなトラックの製造への道筋をつけたことを発表した。同工場での取り組みは以下の通り。
・グリーン電力の契約、工場内での太陽光発電量の増強、自家消費への切り替え
・構内輸送、倉庫車両のすべてを電動車両に交換
・(今後の取り組み)太陽光パネル使用によるグリーン水素生産の検討と、それによる天然ガス消費の段階的な置き換え
■MFTBCの国内工場は2039年を目標――川崎・中津では5年間でCO2排出量を17%削減
MFTBCは、本社を置く川崎製作所と中津工場で、2015年からの5か年計画によりCO2排出量の同年比17%削減を達成した。これに続く取り組みとして、川崎製作所を2039年までにカーボンニュートラル化することを目指し、新たな計画を策定。またMFTBCの生産ネットワークで重要な拠点である、バスを製造する富山工場やトランスミッションなどを手掛ける中津工場も、同じく2039年を目標とした。
■バリューチェーン全体でのカーボンニュートラルに挑戦
製造だけでなく、MFTBCは車両のバリューチェーンの他の側面にも着目。輸送や購買といった、それぞれの段階において、CO2排出量を削減するための方法を検討しており、いくつかはすでに実行に移されている。
一例として、ダイムラートラックは、サプライチェーンの環境に与える影響の透明性を高めるために、CDP(旧称:Carbon Disclosure Project)などの機関と協力。 2020年には、主要なサプライヤーを対象に、CO2排出量などの環境への影響を報告するCDPの年次調査を実施した。