三菱電機は、センサーを用いたセンサーフュージョンアルゴリズム(※1)に、独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」を実装し、世界で初めて(※2)センサーへの攻撃で発生する計測データの矛盾を高精度に検知する「センサーセキュリティー技術」を開発した。
今後、三菱電機は、2020年度以降の事業化を目指し、研究開発を進めていくとしている。
車載機器、生産設備やドローンなど、センサーで計測したデータを基に最適な自動制御を行う機器の普及が進む中、サイバー攻撃への対策が求められている。
三菱電機では今回、複数のセンサーを組み合わせて計測データを取得する、ドローンなどの自動制御の要となる、センサーフュージョンアルゴリズムの内部計算に着目。
これまで確立されていなかったセンサーフュージョンアルゴリズムの安全性を評価・検証し、独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」をセンサーフュージョンアルゴリズム内に実装することで、悪意のある攻撃で発生する計測データの矛盾から攻撃を検知する「センサーセキュリティー技術」を、世界で初めて開発した。
なお、同開発成果の一部は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果から得られたものである。
[開発の特長]
■独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」でセンサー搭載機器への攻撃を検知
・自動制御の要であるセンサーフュージョンアルゴリズムに独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」を実装し、計測データの矛盾から悪意のある攻撃を検知。
・攻撃を受けていない正常時との比較で、42%(※3)以上の不整合を攻撃として検知可能。
■センサーを搭載する自動制御機器へ安価に導入が可能
・既存のセンサー信号処理回路にソフトウエアの追加のみで容易に導入ができ、ハードウエアの追加が不要なため安価に導入可能。
・センサーから計測したデータの精度に悪影響を及ぼさずに実装可能。
[開発の概要]
※1:複数のセンサーを組み合わせて計測データを取得する方式。
※2:2019年2月7日現在、三菱電機調べ。
※3:超音波を用いたドローンへの攻撃を実施した場合の一例。センサーフュージョンアルゴリズム内の中間値を使って地磁気や重力の計算などを行い、自然現象の数値と一致した場合を不整合0%とする。