三菱電機と三菱重工業は12月26日、両社の発電機事業を統合し、新たに合弁会社を設立する具体的検討に入ることで基本合意したと発表した。なお、新会社設立に於いては、三菱電機がマジョリティ出資者、三菱重工がマイノリティ出資者となる予定だと云う。
地球温暖化に伴う気候変動が顕在化する中、温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが世界中で加速。今後、新興国を中心とした経済成長等による電力需要の増加やエネルギー安全保障への意識の高まりを背景に、既存の火力発電設備を活かしつつ、水素・アンモニアをはじめとするカーボンフリー燃料への転換など、現実的なエナジートランジションが進展することが予想されている。
また、天候などにより発電量が左右される再生可能エネルギーの変動性を補う調整力として、従来の電力インフラを支えてきた大型発電システムの活用も必要とされている他、非同期電源である再生可能エネルギーの導入拡大に伴い課題となる電力系統の安定化には、今回の事業統合の対象であるタービン発電機の持つ、同期電源としての慣性力・電圧維持能力にも期待が寄せられている。
以上のように、電力を取り巻く環境が世界中で大きく変化する中、三菱電機と三菱重工は、対象事業を統合し、両社が保有する技術・資産を結集することで、一層の市場競争力強化を実現するため、今回の基本合意に至ったと云う。
両社は、統合の実現を契機に、従来以上の強固なパートナーシップを構築し、発電機事業をよりグローバルに拡大していくことで、カーボンニュートラルの実現に貢献していくとしている。
[統合の概要]
1.事業範囲
統合の対象となる範囲は、発電プラントの重要設備であり、かつ原動機と直結する発電機およびその関連設備の基本計画、設計、開発、製造、販売及びアフターサービス業務を予定。
2.方式
統合は、三菱電機および三菱重工が、それぞれ対象事業を、吸収分割により合弁会社に承継させる方法により実行する予定。その諸条件については、統合に係る最終契約の締結までに、両当事者間で協議の上で決定する。
3.当事会社の概要
4.合弁会社の概要
出資比率は三菱電機がマジョリティ出資者、三菱重工がマイノリティ出資者となる予定であるが、今後実施予定のデューデリジェンス等の内容を踏まえ詳細含め確認・検証を行う予定。その他合弁会社の詳細については、決定次第告知する。
5.日程
・2022年12月26日:基本合意
・2023年5月下旬(予定):最終契約 締結
・2024年4月1日(予定):効力発生日
※本統合の効力発生は、国内外の競争当局による承認等を条件とする。
※三菱電機よぼび三菱重工がそれぞれ行う吸収分割は、会社法第784条第2項の規定に基づく簡易吸収分割に該当する見込みであるため、両社は、それぞれ株主総会の承認決議を経ずに当該吸収分割を行う予定。
6.今後の見通し
統合に伴う三菱電機および三菱重工の業績への影響等については、明らかになった段階で告知する。