三菱電機は、米国のニューヨーク市都市交通局(Metropolitan Transportation Authority(MTA)New York City Transit/以下、NYCT)の無線式列車制御システム(以下、CBTC/※1)実証試験に合格し、日系企業初となるNYCT向けCBTCのサプライヤー資格を取得した。
NYCTはこれまで、既に認定した2社によるCBTCシステムを構築してきたが、地下鉄路線へのシステム導入にあたり、3社目のサプライヤーを公募。これに対し、仕様・納期・価格の総合的な評価の結果、三菱電機が新たな候補として選定され、既存のCBTCシステムとの相互運用性の実証試験を受注した。
その後、三菱電機は、地上・車上それぞれの機器の実証試験を行い、機能性や安全性などの評価を完了。今回、NYCTから正式にCBTCのサプライヤー資格を取得した。
三菱電機は、1961年に自動列車制御システム(※2)を開発して以降、列車運行のさらなる効率化を図るため、無線通信で取得する列車の正確な位置や速度などの情報を用いて列車の運行を制御するCBTCの開発を推進。今回の、世界最大級の地下鉄であるNYCTの実証試験で培った成果やサプライヤー資格取得の実績を活かし、NYCT向けの案件のほか、CBTCのグローバル展開によりさらなる事業拡大を目指すとしている。
※1)Communications Based Train Control:車上機器と地上機器の無線通信により、列車の正確な位置・速度などを把握し、安全かつ効率的な列車の運行を可能にする列車制御システム。
※2:信号の示す制限速度に対応した信号電流をレールに流し、列車の車上装置が連続的にこれを受けることで列車を制限速度以下に制御するシステム。
[ニューヨーク市都市交通局の概要]
– 名称:MTA New York City Transit (NYCT)
– 所在地:米国 ニューヨーク市
– 設立:1953年
[問い合わせ先]
三菱電機株式会社 社会システム海外事業部
電話:03-3218-1409 FAX 03-3218-9048