国土交通省は8月13日、物流総合効率化法に基づき、総合効率化計画の策定やモーダルシフト等の取り組みを支援する補助事業22件について、認定及び交付決定を発表した。
国土交通省では、物流分野における労働力不足への対応や環境負荷の低減を図るため、平成28年10月に改正施行された物流総合効率化法に基づき、トラック輸送から鉄道、海運への転換(モーダルシフト)や幹線輸送網の集約化、貨客混載等の取組を進めている。
なお、今年度から初めて省人化・自動化に資する機器等への上乗せ支援を実施しており、当該機器の導入を計画している案件も含まれている。
【計画策定経費補助の主な採択案件】
・関東から東北まで陸送している鋼材・鉄鋼材加工品について、幹線輸送網の集約化によりトラック台数を削減するとともに、倉庫内の鋼材の運搬に無人搬送車を導入することで物流DXの推進を図る取組
【運行経費補助の主な採択案件】
・中部-九州間で陸送している特別積み合わせ貨物について、混載ブロックトレイン(編成一部を貸し切り輸送するコンテナ列車)を使用した往復鉄道モーダルシフトを実施し、労働力不足とCO2排出量の削減を図る取組
このように、事業者間の連携による様々な取組が、続々と広まっている。今後も令和3年6月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」を踏まえつつ、労働生産性の改善やカーボンニュートラルの推進等に向けた革新的な取組を進めていくとしている。
【概要】採択件数の内訳
(1)計画策定経費補助(今後、物流総合効率化法に基づく計画認定を目指す案件への補助):10件
1.モーダルシフト:2件(鉄道への転換)、3件(船舶への転換)
2.輸送網の集約化:1件(クロスドッキング方式、バッテリー式重量物無人搬送車の導入)
3.共同輸配送:2件(ラストワンマイル共同輸配送、パレット標準化と同時実施)
4.その他:3件(路線バスによる貨客混載、中継輸送、パレット標準化)
(2)運行経費補助(物流総合効率化法に基づく計画認定を受けた事業への補助):12件
1.モーダルシフト:5件(鉄道への転換)、6件(船舶への転換)
2.輸送網の集約化:2件(クロスドッキング方式、既存の物流センター集約後船舶モーダルシフト)
3.共同輸配送:1件(モーダルシフト・輸送網の集約化を同時に実施)
【交付決定額】
約4,300万円(22件合計)