国土交通省は12月11日、令和2年10月の宅配便の再配達率の調査結果を発表した。再配達率は約11.4%となり、前年同月（約15.0%）と比べて約3.6%ポイント減となった。

これは新型コロナウイルスの感染拡大を契機としてテレワークなど「新しい生活様式」が普及したことによる在宅時間の増加や、宅配ボックスや置き配の活用など多様な受取方法が広まりつつあること等が影響したものと考えられる。

なお、今回の調査結果は本年4月（約8.5%）と比べて約2.9％ポイント増となったが、外出自粛要請等の影響があった4月と比べて在宅時間が減少したこと等が影響したと考えられる。

近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(EC)が急速に拡大し、宅配便の取り扱い個数が増加している一方、宅配便の再配達はCO2排出量の増加やドライバー不足を深刻化させるなど、重大な社会問題の一つとなっている。

国土交通省では、こうした問題に対応するため「総合物流施策推進プログラム」において宅配便の再配達率の削減目標（2017年度16%程度→2020年度13%程度）を設定し対策に取り組む。この取り組みの成果を継続的に把握し、施策の進捗管理を行うことを目的として、平成29年10月より宅配便の再配達率のサンプル調査を開始した。

国土交通省では、引き続き再配達の発生状況を継続的に把握するとともに、民間事業者や関係省庁と連携しながら、宅配ボックスの活用や置き配の普及・促進等に向けた施策を進め、引き続き宅配便の再配達削減に取り組んでいくという。