国土交通省では6月5日、自動車の安全・環境基準等について社会や技術の変化を踏まえ、この期に子供の見落とし事故を防止するための国連基準導入を決めた。
同省では「子供は身長が低いことから、特に車両の直前やその近辺ではドライバーから見えづらく見落とされるリスクが高まります。
このような見落としによる事故を防止するための国際的な安全基準が、我が国の主導のもと成立しましたので、この国際基準を国内に導入することとしました」と述べている。
上記に係る経緯は、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)に於いて日本側の主導により「直前直左右確認装置に係る協定規則(第166号)」及び「大型車の直接視界に係る協定規則(第167号)」の制定が合意された事にある。
なお当該直前直左右確認装置に係る新国連基準は、日本の国内基準をベースとし、我が国の交通安全環境研究所(松井靖浩上席研究員)が基準策定のための国連の会議の議長等を務めながら、日本が策定を主導し合意に至った。
これを踏まえ、国土交通省では策定された新国連基準を保安基準に反映させるべ、保安基準の詳細規定の改正等を行う。
主な改正項目は以下の通り
(1)乗用車等には、運転者席から死角となる車両の直前及び側面にいる子供などの歩行者を確認出来るように、鏡やカメラモニタ等の視認装置(既存国内基準適合装置でも可)又はソナー等の検知装置を備えなければならない。
運転者席から直接視によりポールが確認できない範囲については、
・鏡またはカメラモニタによる視認装置
・ソナー等による検知システム
いずれか又はそれらの組み合わせにより確認ができること。
(2)バスやトラックの大型車の運転視界について、運転者席から『直接』視認できる近傍の視界の量(体積)を一定以上確保できるように、運転者席を設計しなければならないこととする。
公布・施行
公 布 : 令和5年(2023年)6月5日
施 行 : 令和5年(2023年)6月5日(一部例外あり。詳細は別紙参照)