国土交通省は12月17日、令和2年9月25日に発表された社会資本整備審議会国土幹線道路部会の『「持続可能な国土幹線道路システムの構築に向けた取組」中間とりまとめ』において、導入手順や概成目標時期を明示したロードマップを策定し、料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を計画的に推進すべきであると示されたことを踏まえ、各高速道路会社のETC専用化等に向けたロードマップを策定したことを発表した。
ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化について
■ETC専用化等の導入目的
– 国土幹線道路部会中間とりまとめ(令和2年9月25日)等にあるように、ETCを活用することにより、
・戦略的な料金体系の導入が容易になること等を通じた混雑の緩和など利用者の生産性の向上
・将来的な管理コストの削減
・高速道路内外の各種支払における利用者利便性の向上
・料金収受員の人員確保が困難な中での持続可能な料金所機能を維持
・料金収受員や利用者に対する感染症リスクの軽減等
に資することから、近年のETC利用率の拡大等の社会情勢の変化を踏まえつつ、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を推進。
■ETC専用化等の進め方に係る基本的考え方
– 以下の基本的考え方を踏まえつつ、各高速道路会社の実情に応じて推進
・都市部は5年、地方部は10年程度での概成を目指して計画的に推進
・ETC利用率・非ETC車の交通量・近隣ICでの代替性等を考慮し、一部料金所で試行的に開始し、運用状況等を踏まえながら、順次拡大
・料金精算機が導入されている場合は、当面の間、料金精算機とETCを併用することも検討
・実際の導入に当たっては、早期に周知・広報することにより、利用者の混乱を回避
– また、ETC専用化等の導入・拡大に併せ、以下の点について引き続き検討
・車載器助成やETCパーソナルカードのデポジットの下限の引き下げ等によるETCの利用環境の改善
・誤進入等による非ETC車対策(車籍照会の効率化等の適切な事後徴収方法の構築)、非ETC車の料金徴収コスト差を踏まえた非ETC車の利用者負担、管理コストの状況を踏まえた利用者への還元策、将来的な本線料金所の撤去等
■ETC専用化等のロードマップについて
※1 令和2年12月1日現在の既存料金所のうちETC専用運用されていない課金料金所数
※2 カメラ等の設置や関係機関との協議等
※3 料金所の構造や交通量が多く、並行又は接続する一般道を含めた渋滞等の課題がある路線(第三京浜・横浜新道・横浜横須賀道路・京葉道路・東関東道)の料金所については、引き続き検討
※4 導入後の運用状況、 ETCの普及状況、関係機関との協議等により、適時変更の可能性
※1 令和7年4月に開催される予定の「大阪・関西万博」への影響も考慮し、適時変更の可能性
※2 令和2年12月1日現在の既存料金所のうちETC専用運用されていない課金料金所数
※3 カメラ等の設置や関係機関との協議等
※4 導入後の運用状況、 ETCの普及状況、関係機関との協議等により、適時変更の可能性
■ETCの普及促進策について
<ETC普及促進>
クレジットカード非保持者や高速道路の利用頻度が少ない者等への対応として、ETCパーソナルカードのデポジットの下限の引き下げや車載器購入助成など、ETCを利用しやすい環境整備を実施。
<ETCパーソナルカードの見直しの方向性>
ETCパーソナルカードとは、クレジットカード契約をしない利用者が、あらかじめ一定のデポジットを預託することにより、高速道路会社6社が共同して発行するETCカード。あらかじめ支払ったデポジットの8割分の走行が可能で、通行料金は、金融機関口座から、1ヵ月単位で引き落とされる。
– 見直しの方向性
デポジット:下限額20,000円から、下限額3,000円へ引下げ
利用限度額:デポジットの80%からデポジットの範囲内(100%)での利用を可能に
※ 導入後の運用状況を踏まえて、適宜見直し