国土交通省は、一般道においてドライバーの異常により運転の継続が困難になった場合に、交差点等への停止を回避しながら、自動運転技術を活用して可能な限り路肩等に自動車を寄せて停止させるドライバー異常時対応システムのガイドラインを策定した。
近年、ドライバーの異常に起因する事故は、年間に200~300件発生していると云う。
国交省では、このような事態を受け、産学官の関係者で構成される「先進安全自動車(ASV/※1)推進検討会」において、開発等の指針について検討し、平成28年に基本型のドライバー異常時対応システムのガイドラインを策定し、平成30年には発展型(路肩等退避型)の高速道路版のガイドラインを策定。
今回「ドライバー異常時対応システム発展型(路肩等退避型)の一般道路版」のガイドラインを策定した。
このガイドラインは、一般道において、ドライバーの異常により運転の継続が困難になった場合に、交差点等への停止を回避する機能(※2) を有し、可能な限り路肩等に寄せて停止させるシステムについて、開発等の指針を示したものとなる。
国交省は、このガイドラインによって、自動車メーカーにおける同システムの技術開発が促進され、同システム搭載車両の早期導入が期待できるとしている。
※1)ASV(Advanced Safety Vehicle):先進技術を利用してドライバーの安全運転に資するシステムを搭載した自動車。ASV推進検討会についてはHP<http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/japanese/planning6.html>を参照。
※2):「ドライバー異常時対応システム発展型(路肩等退避型)の高速道路版」のガイドラインには含まれていない機能。
[ドライバー異常時対応システムについて]
[ドライバー異常時対応システム発展型(路肩等退避型)の一般道路版ガイドライン概要]
– 適用対象:対象道路:一般道
– 対象車両:自動車(二輪車を除く)
<路肩等(道路端)へ退避させる機能>
①車線内走行させる機能。
②車線変更させる機能。
③道路端に寄せる機能。
④減速停止させる機能。
⑤車両の停止回避場所(交差点の中等)への停止を避ける機能。
※制御開始から車両停止までの走行距離上限は150m、時間上限は60秒
注)下線は、基本型のガイドライン(平成28年3月)に対し、発展型(路肩等退避型)の高速道路版のガイドライン(平成30年3月)で追加された機能。太字は、発展型(路肩等退避型)の高速道路版のガイドラインに対し、今回追加された機能。
■(国交省)ガイドラインの概要(PDF):http://www.mlit.go.jp/common/001301889.pdf
■(国交省)ドライバー異常時対応システム発展型 一般道路版 ガイドライン(詳細/PDF):http://www.mlit.go.jp/common/001301888.pdf