国土交通省は10月18日、第2回「国連・持続可能な交通のための会議」の結果概要を発表した。
会議は、10月14日(木)~10月16日(土)の3日間、北京とオンラインのハイブリッド形式で開催され、交通分野のSDGs実現に向けた取組の共有や課題解決に向けた方策について議論が行われた。
イノベーション、貧困撲滅、地域開発、気候変動、都市開発等のテーマ毎の各セッションでは、それぞれのテーマに関する各国の取組を共有するとともに、課題解決に向けた議論が行われ、最終的に、北京宣言としてとりまとめている。
斉藤国土交通大臣は、15日にビデオメッセージにて、以下の3つの課題について、我が国の取組を紹介した上で、課題解決に向けた日本の貢献や各国との連携の必要性について発言した。
1.新型コロナウィルスの感染拡大の防止と交通事業者の持続的な運営の両立
・日本は、感染拡大防止策と合わせ、交通事業者に対し資金繰りと雇用確保に向けた様々な支援策を講じており、今後は、新規感染者数の減少を踏まえ、ワクチン接種や陰性証明を活用し、段階的に移動・旅行を再開していく方針である。
・ウィズ・コロナ時代において、利用者が安心して公共交通を利用し、交通事業の持続的な運営を確保する方策について議論を深めていきたい。
2.気候変動への対応
・日本は、気候変動を食い止めるため、2050年にカーボンニュートラルを達成すべく、公共交通の利用促進、デジタル化による物流効率化、電気自動車の導入促進、持続可能な航空燃料(SAF)の普及促進、カーボンニュートラルポートの形成等の取組を強化している。
・防災・減災対策として、「流域治水対策」、線状降水帯による豪雨の気象予測精度の向上、道路、鉄道、空港等の交通施設の強化に取り組んでいる。
・日本の取組を共有するとともに、我が国の質の高いインフラシステムを広く海外に展開していく。
3.ユニバーサル社会の実現
・高齢者、様々な障害を持った人々を含め誰もが円滑に公共交通を利用できるよう我が国は、鉄道駅へのエレベーター、ホームドアの設置、ノンステップバスの導入等に加え、最近では、新幹線に世界最高水準の車椅子用フリースペースを導入する等取組を加速化している。
・SDGsの包括目標である「誰一人取り残さない」社会を実現するため、世界各国と連携して取り組んでいきたい。
■参加国等
グテーレス国連事務総長、劉振民国連事務次長・経済社会局長の他、日本、中国、 ロシア、韓国等、世界36ヵ国の首脳、交通担当大臣等が参加