国土交通省は8月31日、パナソニックから、同社およびグループ会社全体の社員の建設業法に基づく保有資格に関する自主調査と第三者機関による調査の結果報告を受け、その内容を公表した。
この調査は、パナソニックの連結子会社である「パナソニック環境エンジニアリング」と「パナソニックコンシューマーマーケティング」(両社を合わせて以下、当該2社)において、一部社員が建設業法に基づく施工管理技士等の資格を不正取得したとの疑義が内部調査により発覚したことを受けて、行われたもの。
上記不正の疑義について、国交省は、昨年11月27日に当該2社の調査の他、グループ全体としての発生原因の究明と再発防止策の検討について、改めて報告するよう指示していた。
報告の概要および国土交通省の対応は、以下の通り。
[調査結果概要]
<自主調査>
・合計390名の社員が所定の実務経験を充足せずに技術検定を受検し施工管理技士の資格を取得していた。
・合計13名の社員が所定の実務経験を充足せずに交付申請を行い監理技術者資格者証を取得していた。
・不正取得であったため資格要件を満たさない社員を、主任技術者等として最大2422件の工事(うち請負代金500万円以上の工事は150件)に配置していた可能性がある。また、営業所専任技術者として合計58名を配置していた。
・該当する社員が配置技術者となった工事物件のうち不特定多数の人体・環境に影響を及ぼす可能性のある物件については、調査の結果、安全性自体に問題は認められないことを確認している。また、施工品質の問題の有無については、今後、第三者評価機関による調査を実施し、検証を行う。
<第三者委員会報告書>
・過去に同様の実務経験不備が発覚した際の調査は調査範囲が限定されており、調査も不十分であるなどの問題があった。この時点で、再発防止策をグループ会社間で共有していればその後の問題の発生を防止できた可能性があった。
・今後の再発防止のため、グループ各社のチェック体制や人事制度、技術者養成計画等を見直すとともにグループ本社機能を強化すべきである。
※調査報告書について詳しくは、パナソニックのホームページ<https://news.panasonic.com/jp/press/>を参照。
[国交省の対応]
(1)調査及び再発防止の指示等
パナソニックに対し、今回のような事態を招いたことを真摯に受け止め、再発防止策を速やかに実行に移すとともに、二度とこのような事態を起こさないよう強く求めた。
また、施工品質の問題の有無に関し、第三者の意見を踏まえた客観性のある調査及び評価を実施し、報告するよう強く求めた。
(2)合格の取消、受検禁止措置及び監督処分等
不正の手段によって技術検定を受け合格した事実が明らかとなった合格者に対して、建設業法施行令(昭和31年政令 第273号)第41条の規定に基づき、当該合格の取消、3年以内の期間を定めて技術検定の受検を禁止する手続きを行う。
また、今後の調査結果も踏まえ、同社及びグループ会社に対する監督処分について厳正に対処。またこの監督処分に併せて、国交省発注工事の指名停止についても厳正に対処する。
[問い合わせ先]
パナソニック(株)ブランド戦略本部 コーポレート広報部
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