国土交通省は8月30日、「内航カーボンニュートラル推進に向けた検討会」の内容を踏まえ、「中間とりまとめ」を公表した。
2020年秋の菅内閣総理大臣の所信表明演説において、「2050年にカーボンニュートラルを目指すこと」が表明されており、国土交通省では2021年4月から、有識者、関係業界からなる「内航カーボンニュートラル推進に向けた検討会」を開催し、内航海運を取り巻く状況や取り組むべき施策の方向性、ロードマップなどについて検討を行っている。
今回、計4回の検討会にわたる議論の内容を踏まえ、「中間とりまとめ」を公表した。今後、年末の最終とりまとめに向け、引き続き内容の具体化等の必要な検討を行っていくとしている。
■中間とりまとめのポイント
– 現状と課題
・内航海運のCO2排出量は約1,038万t-CO2(2019年度、日本全体の0.93%)。
・内航船の省エネ・CO2技術の実用化の見通しにくさ、荷主・船主間等の連携、船主の投資余力の不足などが課題。
– 内航海運の低・脱炭素化に向けて取り組むべき施策
・低・脱炭素化船の開発・普及
(荷主等とも連携した、現在の省エネ船を超える省エネ性能を有する連携型省エネ船の開発など)
・運航効率の一層の改善
(荷役・離着桟設備の自動化・電動化、航海計画支援システムの導入など)
・省エネ・省CO2の「見える化」の推進
(船舶の燃費性能や運航時のCO2排出量の評価のあり方の検討など)
– 内航海運の低・脱炭素化に向けたロードマップ
・2030年までのCO2排出削減に向けて導入される船舶としては、「連携型省エネ船」が中心。
・2030年以降は、バイオ燃料への切り替えやゼロエミッション船の導入が進む見込み