国土交通省は、バス利用者にわかりやすいバス系統案内実現のためとして、ガイドラインを作成し、10月19日に発表した。
同省は、新規に系統番号を導入する場合や、既存の系統番号の改良を行う場合など、「アルファベット+数字」又は「数字のみ」によって表現するなど、本ガイドラインに準拠するよう呼びかけている。
国交省では、訪日外国人旅行者や、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催など、その対応としてバス利用環境を整備し、わかりやすいバス系統ナンバリングの導入を促進。自動車局に「バス系統ナンバリング検討会」を設置し、系統ナンバリングの導入・改善に必要な具体な検討を実施してきた。
今回、検討会での議論を踏まえ、バス事業者や地方自治体など関係者に向けた「乗合バスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン」を作成。これにより、誰もが利用しやすい乗合バスの利用環境整備を促進するとしている。
[ガイドラインの概要]
<ガイドラインの適用範囲>
・新規に系統番号を導入する場合や、既存の系統番号の改良を行う場合、ガイドラインに準拠することを推奨する。
<ナンバリングの対象とする運行系統>
・市区町村の行政区域に拘らず、生活圏・交通圏単位で検討する。
・一般路線バスに限らず、予約が不要で一般路線バスに準じた運行形態の空港アクセスバスやコミュニティバスも対象とする。
・予算の制約などにより、全ての運行系統の対応が困難な場合は、例えば、訪日外国人旅行者や日本人旅行者の利用が多い運行系統を優先するなどで対応する。
<系統番号に使用する文字及び桁数>
・「アルファベット+数字」又は「数字のみ」によって表現(漢字、ひらがな・カタカナ等は原則として使用しない)。
・大都市圏を除き、アルファベットと数字の組み合わせの場合は4桁以内、数字のみの場合は3桁以内のできるだけ少ない桁数で表現する。
・既に「漢字+数字」のナンバリングが実施され、利用者に浸透している場合は、例えば、周知期間を十分に確保した上で、計画的・段階的に新たな系統番号への切替えを実施、「アルファベット+数字」の系統番号を併用する等で対応する。
<ナンバリングの設定ルールの検討>
・系統番号を設定する場合は、地域の公共交通網の現状及び今後の見込みを踏まえ、当該地域共通のルールの下で、他の運行主体と番号が重複しないよう、個々の運行系統に系統番号を付与する。
<ナンバリングの検討体制>
・地域公共交通活性化・再生法の法定協議会等を活用し、関係する運行主体を含めた検討体制を設ける。
<ナンバリング等に必要な予算や人手の確保>
・費用や労力の面で関係者に過度な負担が生じないよう、ナンバリングの実施時期をダイヤ改正のタイミングに合わせるなど、負担の軽減に向けた工夫を行う。
<運行系統のナンバリングと併せて実施すると効果的と考えられる取組>
・ 「どのバスに乗れば良いかわかりにくい」、「バス乗り場がわかりにくい」といった不満を解消するためには、バスに乗るために必要な情報を総合的に案内することが必要。そのため、バスマップの作成や、シンボルカラーの導入、ピクトグラムの付記、多言語表記、ホームページのレイアウトの見直し、経路検索サイトや地図情報アプリへのデータ提供、Wi-Fi環境の整備等の取組を推奨する。
■(国交省)バス系統ナンバリング検討会:http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000091.html
■国内のナンバリング事例(前半/PDF):http://www.mlit.go.jp/common/001258022.pdf
■国内のナンバリング事例(後半/PDF):http://www.mlit.go.jp/common/001258021.pdf