同国ゴム開発の拠点農園、ロイヤル・レスタリ・ウタマ(RLU)の単独所有者に
ミシュランは7月7日、バリトパシフィックグループとの合弁会社、ロイヤル・レスタリ・ウタマ(以下、RLU)の資本の51%を買い増し(予てより49%の資本を保有していた)、RLUの単独所有者になった。( 坂上 賢治 )
RLUは、ミシュランとインドネシアのパートナー企業が2015年に開始したプロジェクトで、ジャンビ州(スマトラ島)の約70,000ヘクタール、東カリマンタン州(ボルネオ島)の約18,000ヘクタールの広範囲で、持続可能な天然ゴム栽培と森林保全の両立を目指している。
写真はゴム園での樹液採取風景
同地域は、RLUが関与する以前は森林破壊で大きな被害を受けていた。そこで2015年以降、ミシュラングループが同国の事業に10億ユーロ以上を投資。過去6年間に於いて社会的にも環境面でも貢献を積み重ねている。
今回取得したロイヤル・レスタリ・ウタマ農園は、23,000ヘクタール以上の土地に於いてゴムの木を栽培し、更に39,000ヘクタールでは森林農業や自給自足農業の発展を目指してきた。その結果、4,000人の雇用を創出。農家に対し、ゴムの木の栽培と多毛作の技術指導をする事で住民50,000人の生活水準の向上を実現させている。
しかしそれでも天然ゴムのバリューチェーンは複雑かつ細分化されている事から、商業的、社会的、環境面で多くの課題がある。ミシュランの購買ディレクターのヴァンサン・ルセット=ルーヴィエール氏は「ミシュランがRLUの単独所有者になる事は、要求が厳しい非凡な長期プロジェクトに投資し続けることを意味します。
RLUは、社会的、環境保護的、経済的な目標達成を目指します。人々の生活水準の向上と、森林・生態系の保護を両立しながら、インドネシアの天然ゴム分野の変革を支えることを確信しています」と語っている。