ミシュランは3月15日、脱炭素海上輸送サービスを提供するフランスの新興企業「ネオライン社(NEOLINE)」と海上貨物輸送の契約を締結し、2023年までにカナダ─フランス間のタイヤ輸送を開始すると発表した。
ネオライン社は、4,200㎡の帆を持つ全長136mの貨物船の船主として、風力エネルギーによる脱炭素海上輸送サービスを提供。脱炭素海運では、大西洋横断の海上輸送で現在のCO2排出量を90%削減することが可能であることから、フランスでは、主要な業界各社がサプライチェーンのエネルギー転換を目標に、同社との協業を始めていると云う。
ミシュランでは既に、2050年までに世界中の全工場でCO2排出量をゼロにするゼロ・エミッションに取り組んでるが、ネオライン社との提携は、物流面での脱炭素化を推進する初の取り組みとなる。
ミシュランはネオライン社と、2023年までに大西洋横断ライン(カナダのハリファックスとフランスのサン=ナゼール・モントワール・ド・ブルターニュ間)航路を開設し、1年後に2隻目を稼働する予定。最終的には、ネオラインにグループのコンテナ輸送の50%を委託する予定だとしている。
契約締結に際して、ミシュラングループのサプライチェーンディレクター であるピエール=マルタン・ユエ氏は、次のように述べてる。
「脱炭素輸送における初の取組みは、ロジスティクス分野のCO2を、2030年に2018年比で15%削減するミシュランのCSR戦略と完全に一致しています。私たちは、ネオライン社との新たな提携で、脱炭素化のイノベーションを促進します」。
また、ネオライン社のジャン・ザヌッティニ社長は、次のように述べている。
「イノベーションとサステナブルモビリティに注力するミシュラングループに参加できることを光栄に思います。ネオラインは環境にやさしい、荷主の経済および物流面の現状に即した輸送を開発しています。ネオラインは、フランスの業界リーダーであるミシュラン、ルノー、ベネトウ(Beneteau)、マニトゥ(Manitou)グループ、ジャズヘネシーアンドカンパニー(Jas Hennessy&Co)などからの信頼を受け、サプライチェーンの脱炭素化を担っています。ネオラインのソリューションで海上輸送の環境への負荷を大幅に低減し、フランスと国際海事機関の持続可能な開発目標の達成に貢献します」。
■ネオライン(英語):https://www.neoline.eu/en/