三菱重工業は11月16日、グループの三菱重工環境・化学エンジニアリングが、仙台市から一般廃棄物焼却施設「松森工場」のプラント設備更新工事を受注したことを発表した。
処理能力600トン/日のストーカ式焼却炉設備を改修することにより、施設の長寿命化および省エネルギー化を図るとともに、CO2排出量の削減も目指す。受注額は93.3億円(税抜)で、2026年1月(5ヵ年継続事業)の完成を予定している。
17,500kWの発電能力を備える同施設は、三菱重工の設計・施工により2005年8月に完成したもので、処理能力200トン/日のストーカ炉3基および関連設備で構成されている。今回の更新工事では、経年劣化した燃焼設備・燃焼ガス冷却設備・排ガス処理設備・余熱利用設備・通風設備・灰出し設備・電気計装設備を対象に主要機器の更新を行い、長期の安定燃焼と安定操業を図る。
また、排ガス再循環用送風機を用いた新燃焼制御システム(EGR-PLUS®)の導入によりボイラー熱効率を向上、ボイラー水管に付着したダストを除去するスートブロワを従来の蒸気式から圧力波式に変更することで発電量も向上。さらに、DCS(分散型制御システム)の更新に伴う最新燃焼制御ロジックの導入や高効率な各種電動機器の採用により、年間8%以上のCO2排出量を削減。地球温暖化を抑制しカーボンニュートラル社会実現に寄与する。
近年、一般廃棄物焼却施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改良工事は増加傾向にあり、廃棄物処理施設に対する先進的設備の導入支援などを目的とした交付金制度を環境省が創設したことで、この動きはさらに活発化している。