経済産業省と国土交通省は5月24日、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)を始めとする自動車分野のDX領域で国際競争を勝ち抜くべく、昨年より官民で検討を進めており、同日「モビリティDX戦略」を策定したことを発表した。
1.「モビリティDX戦略」を策定した趣旨
自動車を取り巻くデジタル技術の進展に伴い、自動車産業のバリューチェーンや産業構造に大きな変化がもたらされ、自動車を巡る競争はグローバルなゲームチェンジが起こりつつある。こうした中で自動車のDXは、電動化と並ぶ競争軸となり、今後、クラウド通信を介して、自動車の機能を継続的にアップデートする次世代自動車の主要機能であるSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)の実装も進展されていく。
そのようなSDV技術を筆頭に、自動車DXを巡る国際競争を勝ち抜く観点から、先の両省は「モビリティDX検討会」で官民での検討を進めた結果、2030~2035年に向けた我が国の勝ち筋として「モビリティDX戦略」を策定した。
2.「モビリティDX戦略」のポイント
1).特に激しい競争に伴う官民連携による取組を進めるべき協調領域として、「SDV領域」「モビリティサービス(自動運転等)領域」「データ利活用領域」の3領域を特定した。
「モビリティDX戦略」に関するロードマップ
2).各領域での勝ち筋、「オールジャパン」としての打ち手の具体化
主な取組
- ・SDV領域:高性能半導体等の研究開発、開発効率化のためのシミュレーション環境の構築など協調領域の拡大 等
- ・モビリティサービス(自動運転等)領域:自動運転トラックの実証支援、ロボットタクシーの開発支援 等
- ・データ利活用領域:ウラノスエコシステムの運用、自動車全体の排出量把握や物流効率化等へのユースケース拡張 等
3).「モビリティDXプラットフォーム」の立ち上げ
自動車産業のほか、スタートアップ、異業種、大学、研究機関、個人などの様々なプレイヤーが参画し、取組の機運醸成を図りつつ、新たな企業間連携の促進、ソフトウェア人材確保のためのコンペティション、新規取組の検討を進める「コミュニティ」
4).官民で目指すべき中長期目標の設定と、その実現に向けたロードマップの策定
SDVのグローバル販売台数における「日系シェア3割」の実現(2030年及び2035年)を目指す。
令和6年度モビリティDX検討会
開催日:2024年5月20日(月)16時00分~18時00分
YouTube Live配信
https://youtube.com/live/CziXtqdE3zs?feature=share