NEXT MOBILITY

MENU

2025年2月13日【ESG】

メルセデスAMGペトロナスF1チーム、森林の再生を支援へ

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

メルセデスAMG・ペトロナスF1チーム( 2月13日、米ニューヨーク発)は、自然由来の炭素開発企業チェスナット・カーボン社( Chestnut Carbon )と協力し、米国南東部全域を対象に高品質の炭素除去プロジェクトをサポートする。

 

上記のチェスナット・カーボンは、自然ベースの炭素除去クレジットの大手開発企業。エネルギーに特化したオルタナティブ資産運用会社Kimmeridgeの支援を受けて2022年に設立された。同社は米国の森林炭素オフセットを打ち出しており、森林地や限界耕作地、牧草地での森林炭素オフセットプロジェクトの開発で独自のアプローチを活かしている企業だ。

 

メルセデスAMG ペトロナス F1 チームとチェスナットカーボンの協力は、限界地の再生を拡大する、影響力のある気候プロジェクトの実現に役立つ。チェスナットのより大規模な持続可能な修復プロジェクトの一部である最初のプロジェクトは、260,000 本を超える在来樹木を植えることで、約200ヘクタール (約 500 エーカー) の劣化した農地を活気に満ちた生物多様性のある森林に修復することに相当する。

 

 

メルセデスAMG・ペトロナスF1チームは、チェスナット・カーボンに投資することで、将来の残留排出量を補填するための自然由来の炭素除去クレジットを確保し、この重要なセクターの成長を促進させていく意向だ。

 

このクレジットの前払い購入は、2027年から2030年の間に提供される予定で、それは5,500トンのCO2に相当する。これはチーム全体の排出量のごく一部であるものの、2030年までにレースチームコントロールネットゼロという目標を掲げるチームの全体的な排出量削減に向けた重要なステップになると同チームでは考えている。

 

そんなチェスナットカーボンのプロジェクトは、以前は単一作物やメタンを大量に排出する牛の飼育に使用されていた土地に重点を置いていた。その歩みについては現在までに在来の松や 18 種類以上の広葉樹の多様な組み合わせで1,000万本以上の木を植えており、2040年までに 100 万トン以上の炭素を捕捉して除去する予定としている。

 

このプロジェクトは、劣化した農地や牧草地を健全な森林に復元するだけでなく、地域の空気、水、生物多様性も改善し、地元で苗木を調達し、居住する専門家を雇用し、植樹活動に地元住民を雇用することで、農村地域に経済的利益をもたらす。

 

 

この取り組みについてメルセデスAMGペトロナスF1チームのチーム代表兼CEO、トト・ウルフ氏は、「我々は持続可能性の追求において模範を示すことを決意しています。我々は米国における我々のスポーツの成長に興奮しており、目標に向かって努力する中で、現地のプロジェクトを支援することを約束します。

 

この協力は、我々の二酸化炭素排出量の残留排出に対処する戦略における重要な一歩です。これは、最も持続可能な世界的スポーツチームの1つになるという我々のコミットメントを強調するものです」と述べた。

 

更にメルセデスAMGペトロナスF1チームのサステナビリティ責任者、アリス・アシュピテル氏
は、「チェスナット・カーボンとの協力は、モータースポーツ業界に於けるサステナビリティと環境責任を推進するという私たちの使命における新たな一歩です。

 

私たちの協力により、炭素を隔離するだけでなく、生物多様性を高め、空気と水質を改善し、地域社会に経済的利益をもたらすプロジェクトをサポートできます。これらの取り組みは、生態系保護を促進するという私たちの目標と、地元の生息地を保護および強化するという私たちの取り組みに不可欠です。この最新の投資は、自然とテクノロジーに基づく炭素除去イニシアチブのより広範なポートフォリオの重要な部分を形成します」参画並びに活動の意義を説明した。

 

 

最後にチェスナット・カーボンCEOのベン・デル氏は、「メルセデスAMG・ペトロナスF1チームと協力し、高品質の自然ベースのソリューションを使用して彼らの炭素除去の取り組みを前進させることに興奮しています。

 

これらのプロジェクトの長期的な成功と持続可能性に対する私たちのコミットメントは揺るぎなく、それが私たちがイニシアチブの永続性を優先する理由です。このコミットメントは、土地の所有権と100年プロジェクト設計に反映されています。

 

さらに、私たちは包括的なコミュニティエンゲージメント計画を策定し、地元の利害関係者との透明なコミュニケーションと良好な関係を確保し、環境管理とコミュニティサポートの両方への献身を強化しています」と結んでいる。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。