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2024年12月3日【MaaS】

メイ・モビリティ、トヨタ九州の工場内で自動運転サービスを始動

坂上 賢治

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自動運転(AD)テクノロジー企業の米メイ・モビリティ( May Mobility )は12月3日、トヨタ自動車九州(TMK)の宮田工場内(福岡)で、トヨタの自動運転車「e-Palette(eパレット)」を用いた構内輸送サービスへの参加を始動させたことを明らかにした。

 

そんなメイ・モビリティは、日本の名古屋市、ミシガン州アナーバー、ミシガン州デトロイト、ミネソタ州グランドラピッズ、フロリダ州マイアミ、テキサス州アーリントン、カリフォルニア州マルティネス、アリゾナ州サンシティなど、米国と日本を跨がり40万回以上の自動運転モビリティサービスを提供してきた。

 

そうしたなかで今回の取り組みは、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)専用車eパレットへ、これまでメイ・モビリティが蓄積してきたソフトウエア技術を組み合わせることでカスタマイズに参画。今回は、業務上でTMK内を移動しなければならない従業員と、TMKへの訪問者に対して、構内に於ける効率的な自動運転モビリティとして提供される。

 

サービス始動に至る協業関係の発端は今日から遡ること約2年前2022年。トヨタ製eパレットの車両プラットフォームへ、メイ・モビリティが独自開発した自動運転ノウハウ(特許取得済)や、マルチポリシー系意思決定(MPDM)技術などを取り入れ、その後、両社は共同作業の成果を確かめるべく、日本国内で精緻な実走テストと検証作業を繰り返して、多角的な性能検証と車両挙動の改善を確認してきた。

 

 

そもそもeパレットは、トヨタ自動車のモビリティ・アズ・ア・サービス専用EVとして、充実した各種センサーの搭載を皮切りに、追加のコンピューティング システムを格納するためのスペース、追加でのサードパーティ製ハード&ソフトウエア導入の可能性も十二分に考えられていることから拡張性が高い。

 

従って車両周囲のセンサーから収集されるデータと、メイ・モビリティのMPDMテクノロジーの組み合わせにより、AIを介したリアルタイム学習能力が大幅に拡張した。

 

その結果、過去で経験したことのない状況下に遭遇した場合も、AIが素早く対処策のシナリオを再構築。そうした状況を学び続けることで運転機能を継続的に向上させられるようになったという。

 

こうした成果についてメイ・モビリティでCEO兼共同創設者を担うエドウィン・オルソン氏は、「トヨタとの長年に亘る協力関係は、モビリティ・アズ・ア・サービス領域の技術水準を飛躍的に高めていくための欠かせない重要なピースであり、今回はeパレットを包括したトヨタのMaaSプラットフォーム環境で、同社のシステム開発に貢献できていることを心から嬉しく思います。

 

今後もトヨタによるモビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)プラットフォームと、当社(メイ・モビリティ)の技術を組み合わせることを介して、日本国内に於けるMaaS環境が少しでも改善する機会を得られたら、それは〝世界の交通アクセスを向上させる〟という当社のビジョン実現にも繫がることから、とても誇らしく思います」と述べた。

 

ちなみにTMK構内でのMaaSサービスは、月曜から金曜までの通常営業時間中に従業員とゲストに対して移動手段を提供するものとなる。

 

提供される移動ルートには、指定されたゾーンを巡るもの。また設定されたポイントを通るものなど、各々6つの停車地を巡るスタイルとなる。また行政やトヨタが定めた安全規制に従い、eパレットの運行を監視する自動運転車両専用のオペレーター(AVO)が乗務する。

 

なお同MaaSサービス実施には、MONET Technologiesも参加しており、今後、将来的には追加サービスの実施で協力する予定。従って今回の運行サービスは、今年日本国内で計画されている幾つかのプランのうちのひとつとなる。またその際は、投資者のひとりでもあるNTTとも協力する予定であると結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。