メイ・モビリティの自動運転車がアナーバー市で「ドライバーアウト運行」
メイ・モビリティ( May Mobility )は11月20日( ミシガン州アナーバー発 )、ワシュテノー郡庁所在地のアナーバー( 人口12万3851人 / 2020年 )で米国に於ける2度目の無人運転実証を開始した。
このアナーバーでの無人運転実証は、トヨタ、NTT、リフト(Lyft)などのパートナー企業と共に、米国と日本の2拠点体制で無人運転車両サービスを展開させるための重要なステップになるだと謳っている。
そんな当地に於ける自動運転実証では、リアル都市ならではの複雑な交通環境、変化し続ける気象パターン、都市特有の歩行者密度などが克服するべき課題に浮上する。また運行範囲も限定的ではなく、アナーバーの一般道路を対象に約2平方マイル内の規模で実施される予定だ。
これに先立ちメイ・モビリティは、アナーバーに於いて事前に企画・開催されたテクノロジーデーで、公道上で実施した30分間の自動運転車の走行を介して、自社の自動運転システムの先進性を当地の市民へ向けて披露した。
今自動運転テストの商用実証にあたりメイ・モビリティCEO兼共同創設者のエドウィン・オルソン氏は「自動運転車の実証運行の開始から僅かの期間を経て、ドライバーアウト・オペレーションを開始できることは、当地の変化し易い天候、より実用的な速度域での移動が求められる環境、混雑した交通状況下での安全運行などを、確実に乗り越えられる当社の技術水準の高さを示すものとなるでしょう。
その背景には、我々の車両に独自の特許取得済みのマルチポリシー意思決定技術( MPDM )が搭載されていることが大きな強みとなっています。この技術はAIを活用して刻一刻と変化する走行環境をリアルタイムで解釈。複雑な繰り返し学習から適切な予測判断を下していくことで、常に安全かつ快適な自動運行を実現しています。
つまり、我々が開発したMPDMは、運行上で都度毎に発生する予期しない動的条件などの「エッジケース」に都度適応し、新しい環境に素早く対応できるところに優位性があるのです。但し我々は、今後も現状に決して満足することなく、全米でのあらゆる都市環境でも応えられるより優れた自動運転AIを目指して、自らの能力をより一層磨き続けていきます」と述べた。
さて今回メイ・モビリティは、そうした最新鋭のドライバーアウトオペレーションのスマートな仕事を自動運転車を利用する顧客へも伝えるべく、新たなアップグレード機能として自律走行が実現している様子を乗員に示せすことができるUX機能を追加搭載した。
これにより自動運転車両の利用者は、乗車中、車両のナビゲーション表示をつぶさに観察することで、車載AIがどのように交通環境を認識・理解しているか。また理解した上でどのような意思決定のプロセスを踏んでいるのかなど、搭載AIの真の能力を目にすることができるようになった。
そんな自動運航中の車両にオペレーターは乗車してないものの、外部から車両の動きを常に監視し続けていく。この際に不審な点や質問がある乗客は、車内に実装されたボタンを押すだけでカスタマーサポートと会話・連絡ができる。また車両自体にも自動音声アナウンスや点字付きの物理キーパッドなどのアクセシビリティ機能を高めたコミュニケーション機能があらかじめ搭載されている。
そもそも同社は1 年足らず前のアリゾナ州サンシティで、ドライバーレス サービスを開始して以降、米国内の公道で無人運転車を走らせる3番目の企業となった。また現時点に於いてジョージア州ピーチツリーコーナーズ市と協力して、2025年に5Gを活用したスマートシティで無人運転を導入する計画を進めており、リフトとの提携も発表している。更に、今年度末までに商用運行を13件にまで拡大させていく予定を掲げている。