丸紅は1月15日、アラブ首長国連邦アブダビ首長国エネルギー庁(AbuDhabi Department of Energy/以下「DoE」)と、水・電力の有効活用を通じた水素社会実現に係わる覚書を締結した。
この覚書は、再生可能エネルギー由来の電力を活用した水素製造について、技術及び経済性の観点から実現可能性を検討するもので、両者は、共同で調査研究と実証実験を進めると共に、再生可能エネルギー、水素製造及びその供給に関するノウハウの共有を図る。
太陽光発電を始めとする再生可能エネルギー由来の電力は、気象条件などにより発電量が変動する。
そのため、電力の安定供給を目的に、余剰発電時の電力を利用して、一旦、燃焼時にCO2を排出しない水素を製造して貯蔵する方法が注目されており、そのサプライチェーンの構築が有望視されている。
DoEは、2018年2月にアブダビ首長国のエネルギー分野における政策立案を目的として設立。アブダビ首長国の経済成長、エネルギーの確保、そして持続可能な発展を可能にする効率的なシステム構築を目指している。
また、消費者と環境を保護すると同時にアブダビ首長国の持続可能な成長を下支えする効果的なエネルギー転換実現のための政策および規制の制定、戦略の策定を使命としている。
丸紅は、世界で有数の海外電力発電事業者として、アラブ首長国連邦において、発電容量1,177MWの太陽光発電所を含む5件の発電・造水事業に参画し、同国及びアブダビ首長国の電力セクターの開発に貢献。
今回、両者の長年の良好な関係に加え、水素サプライチェーン分野における複数の実証実験への参画経験を有する丸紅の実績やその知見が評価され、覚書の締結に至ったと云う。
[DoE概要]
– 省庁名:Abu Dhabi Department of Energy
– 代表者:Eng. Mohammed Bin Jarsh Al Falasi
– 管轄業務内容:アブダビ首長国エネルギー分野における政策立案