丸紅は10月18日、米国・カリフォルニア州で使用済み車載蓄電池を用いた系統向け蓄電池(*1)の事業開発を行うB2U Storage Solutions(ビートゥーユー/以下、B2U社)へ出資したと発表した。
世界中でEVが急速に普及する中、それに伴って急増する使用済み車載蓄電池の適切な再利用とリサイクル処理による資源の有効活用は、大きな課題となっている。また、世界で最も再エネ電源導入が先行する地域の一つであるカリフォルニア州では、太陽光発電設備の大量導入により、日照時間には供給余剰が、一方で夜間は不足する、電力需給バランスの昼夜間差が拡大している。
B2U社では、電気自動車(以下、EV)の使用済み蓄電池を、独自開発技術により、解体・再検査・再梱包することなく、定置型として安価かつ容易に二次利用できるコンテナ型蓄電池の開発し、また系統安定化向けの蓄電サービスを提供。
丸紅は同社と共に、この不安定な再エネ電源の増加による系統負担増を緩和するため、使用済み車載蓄電池を用いて電力需給を調整し、蓄電池の稼働を最適化するデジタルツールを開発し、より付加価値の高い調整機能を提供することを目指す。
丸紅は、B2U社への出資を通じて、カリフォルニア州における再エネ目標(*2)の達成、および電力の安定供給に寄与し、『気候変動長期ビジョン(昨年3月公表)』に掲げる「事業を通じた低炭素・脱炭素化への貢献」を実現すると共に、循環型社会に貢献していくとしている。
*1:系統向け蓄電池:発電所から送配電まで電力に関する系統システム全体に繋いで利用される蓄電池。
*2:再エネ目標:現在、カリフォルニア州の再エネ導入率は30%程度だが、2024年までに44%、2030年までに60%、2045年までに100%を目指すもの。
■B2U Storage Solutions:https://www.b2uco.com/