丸紅とフォーアールエナジー(4RE)は、韓国のSIGNET EV社とともに、4RE製の大型再生バッテリー(*1)を使用した EV用世界初(*2)量産型マルチ超急速充電器の開発に係る実証実験を実施、その開発を完了した。
実証実験は福島県浪江町が進めるスマートコミュニティ計画の一環として、「平成30年度エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金」を活用し、昨年10月に開始。
50kWを超える急速充電器を設置する際に課題となるキュービクル(*3)設置による初期費用、および高圧電気契約による維持費の軽減を目的としていた。
今回、同実証実験を経て、開発が完了。3月18日から浪江町の地域スポーツセンターに充電器を設置し、一般利用を開始する。
開発された充電器は約62kWhの再生バッテリーと系統からの供給電力を組み合わせることにより、約90kW の超急速充電が可能で、ケーブルが2本設置されていることから2台同時に急速充電ができる。
また、系統からの供給電力が低圧電気契約範囲内の50kW以下となることから、従来の課題であったキュービクル設置による初期費用や高圧電気契約による維持費の軽減効果が期待されると云う。
丸紅では、今後のEV車載バッテリーの大容量化に伴った充電時間短縮が可能な超急速充電の需要増加を見込み、6月から本充電器の一般販売の開始を目指す。
また、この充電器の開発によりEVの普及を促進するだけでなく、モビリティとしての役目を終えたEVを再生バッテリーの原資として再利用することで、EVのライフサイクルを構築。リチウム等の希少資源の有効活用やCO2削減による低炭素社会の実現に貢献していくとしている。
*1: EVで使用した後のバッテリーパックの中身を再度組み直し、二次利用を可能としたバッテリー。
*2:4RE調べ。
*3:店舗や工場などで電気を高圧で受電するための設備。系統から電気を 6,600V で受電し、キュービクル内で100V・200V に変圧された後に、施設に電気が供給される。
[各会社の概要]
<丸紅>
– 会社名:丸紅株式会社
– 本社所在地:東京都中央区日本橋二丁目7 番 1 号 東京日本橋タワー
– 設立:1949年12月
– 代表者:代表取締役社長 國分 文也
– 資本金:262,686 百万円
– 事業内容:
国内外のネットワークを通じて、食料、生活産業、素材、エネルギー・金属、電力・プラント、輸送機その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)および国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開
– HP:https://www.marubeni.com/jp/
<4RE>
– 会社名:フォーアールエナジー株式会社
– 本社所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-5 クイーンズタワーC20 階
– 設立:2010年9月
– 代表者:代表取締役社長 牧野 英治
– 資本金:766百万円
– 事業内容:車載用リチウムイオンバッテリーの二次利用技術の開発および製造販売
– HP: https://www.4r-energy.com/
<SINGET>
– 会社名:SIGNET EV Inc.
– 本社所在地:49, Jeongicha-ro, Daema-myeon, Yeonggwang-gun, Jeollanam-do, Korea
– 設立:2016 年 12 月
– 代表者:代表理事 黄 皓 哲 (H. C. Hwang)
– 資本金:50,000 百万ウォン
– 事業内容:EV用充電器の開発および製造
– HP: http://www.signetev.com/en/