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2023年12月19日【エコロジー】

丸紅、ビンファストと使用済み車載蓄電池の二次利用で覚書

NEXT MOBILITY編集部

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VinFast + 丸紅・ロゴ

丸紅は12月19日、ベトナム最大の民間企業グループ「Vingroup (以下、ビングループ)」が設立した同国初の自動車メーカー「VinFast Trading and Production (ビンファスト・トレーディング・アンド・プロダクション)」(以下、ビンファスト)と、使用済みの電気自動車(EV)バッテリーの二次利用およびサーキュラーエコノミーのモデル構築に於ける協調に関して、5日に覚書を締結。16日に同国チン首相と齋藤経済産業大臣の面前で覚書交換式典を執行したと発表した。

 

 

今後両社は、ビンファストが製造するEVに搭載されたバッテリーを定置型として二次利用する実証を行うことや使用済みEVバッテリーの利活用、サーキュラーエコノミーのモデル構築の促進に繋がる事業の創出を協調して目指すと云う。

 

 

丸紅は、再生可能エネルギー(以下、再エネ)電源の増加による系統負担の増大が、その拡大を阻害する社会問題として顕在化し始めていることから、世界的なEVの普及にはEVバッテリーの生涯価値の最大化が不可欠であると考え、使用済みEVバッテリーを活用した電力需給調整と系統負担の緩和に着目。2021年に、米国のスタートアップ企業である「B2U Storage Solutions (ビー・ツー・ユー・ストレージ・ソリューションズ)」(以下、B2U)へ出資参画している。

 

そこで、今回の覚書では、使用済みEVバッテリーを解体・再検査・再梱包することなく、定置型として安価で容易に二次利用できるB2Uの独自開発技術を活用し、ビンファスト製のEVに搭載されるバッテリーを定置型に転換することを検証する。

 

なお、丸紅の100%子会社である「Marubeni Green Power Vietnam(マルベニ・グリーン・パワー・ベトナム)」では、今年5月、ビングループ傘下の蓄電池メーカーである「VinES Energy Solutions(ビンイーエス・エナジー・ソリューションズ)」(以下、ビンES)と、同社が製造するEVバッテリーを活用した共同事業の開発に関して合意していることから、今回のビンファストとの覚書により、両社の協業が循環経済システム構築の分野にも拡大することになったと云う。

 

 

丸紅は、覚書を通じて、ビングループと戦略的パートナーシップの強化を図ると共に、ベトナム政府が掲げる2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロの達成および世界的な脱炭素社会の実現に貢献していくと共に、B2Uをはじめとした革新的なスタートアップ企業に、資金供与のみならず、既存の事業基盤・ネットワークを活用した多角的な事業開発の支援を行うことで共創を促進。中期経営戦略「GC2024」で掲げる「新たなグリーン事業の創出」実現を目指すとしている。

 

 

 

[会社概要]

 

■ビンファスト
– 会社名:VinFast Trading and Production Joint Stock Company
– 所在地:ベトナム・ハイフォン
– 株主:VinFast Auto Ltd. 99.9% 他

(VinFast Auto Ltd.は2023年8月に米国NASDAQ市場へ上場)

– 設立:2017年
– 代表者:Le Thi Thu Thuy
– 事業内容:

ベトナムにおけるEV製造事業。2020年よりガソリン車、2021年よりEVを製造開始。2022年末にはガソリン車製造停止とEV生産へ完全に切り替える計画を発表。販売先はベトナムに加え、米国、欧州に進出しており販売エリアを拡大中。

 

■ビングループ
– 会社名:Vingroup Joint Stock Company
– 所在地:ベトナム・ハノイ
– 主要株主 (2022年12月31日時点):

・Vietnam Investment Group LLC. (32.58%)
・Pham Nhat Vuong (19.18%)
・VMI JSC (6.29%)
・SK Investment Vina II Pte, Ltd. (5.98%)

– 設立:1993年
– 代表者:Nguyen Viet Quang
– 事業内容:ベトナムに於ける不動産・ホテル運営・小売・自動車・教育・医療事業等。

 

■B2U
– 会社名:B2U Storage Solutions
– 所在地:米国カリフォルニア州
– 代表者:Freeman Hall
– 事業内容:EV車載用バッテリーを定置用で二次使用するソリューション開発・提供。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。