丸紅と米国のLO3 Energy社は共同で、日本国内におけるブロックチェーン技術を用いた電力取引に係る実証実験を開始する。
実証実験では、電力消費者(国内複数箇所の丸紅グループ施設および丸紅新電力の顧客先)と発電源(丸紅の国内保有発電所)にブロックチェーン機能搭載メーターを設置。発電源で発電された電力を、電力消費者がバーチャル市場経由で購入したい価格を専用モバイルアプリで設定し、購入することを模擬的に実施する。
電力業界では現在、世界的に3D(Decarbonisation:脱炭素化、 Decentralisation:分散化、Digitalisation:デジタル化)の潮流が急速に進み、ポストFIT時代(*1)を迎えるにあたり、再生可能エネルギー発電を中心とした分散型電源を保有した需要家(プロシューマー/*2)が発電した電力を自由に売買する時代の到来が想定されている。
この分散型電源から発電された電力とプロシューマー、ないし電力消費者との取引には、中央管理者を排除したP2P取引(peer-to-peer/*3)を可能とするブロックチェーン技術が適しているという評価がある。
そこで、世界に先駆けて米国や欧州、豪州でブロックチェーン技術を活用した電力取引プラットフォームの開発実績を多数有するLO3 Energy社と、国内外で多数の発電所と顧客基盤を有する丸紅は、同実証実験を実施することに至った。
LO3 Energy社は、ブロックチェーン技術を活用した電力取引プラットフォーム構築を推進するテクノロジー企業として、初のアジア進出となるこの実証実験を通じ、グローバルな知見を生かし世界展開を進める。
丸紅の電力本部は、実証実験を通じて、ブロックチェーン技術を活用した事業構築に係る知見を深め、再生可能エネルギー等の普及や社会貢献性の高いサービス・商品開発を目指すとしている。
*1:固定価格買取制度(FIT)の買取期間が終了あるいは新規受付が終了することにより、再生可能エネルギー発電事業がFITなしで自立する時代。
*2:生産者(Producer:プロデューサー)と消費者(Consumer:コンシューマー)を組み合わせた造語。住宅や企業に設置された太陽光発電設備等により発電された電力を自身で消費し、余剰電力を他者へ売る生産消費者を表す。
*3:ネットワークに繋がれた端末同士が中央サーバを通さず通信を行う通信方式。
[会社概要]
<丸紅>
– 正式名称:丸紅株式会社
– 本社所在地:東京都中央区日本橋二丁目 7 番 1 号 東京日本橋タワー
– 代表者:代表取締役社長 國分 文也
– 設立:1949年12月1日
– 事業内容:
国内外のネットワークを通じた、食料、生活産業、素材、エネルギー・金属、電力・プラント、輸送機その他の広範な分野における、輸出入(外国間取引を含む)および国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動の多角的な展開
– HP:https://www.marubeni.com/jp/
<LO3 Energy>
– 正式名称:LO3 Energy Inc.
– 本社所在地:573 Sackett Street, Brooklyn, NY 11217
– 代表者:Lawrence Orsini
– 設立:2012年
– 事業内容:ブロックチェーン技術を活用した電力取引プラットフォームの開発・構築
– HP:https://lo3energy.com/