米国のゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ<Mary Barra>、以下、GM)は1月3日、同社上級副社長のマーク・ロイス氏(Mark Reuss)を新社長に任命した。(坂上 賢治)
この人事は、GM傘下の自動運転開発の専門部門「クルーズ(Cruise)」で、自動運転車開発をより強力に推し進めるべく2018年11月29日に、GM社長のダン・アンマン(Dan Ammann)氏をクルーズ社の新CEOに任命したことに関わるもの。
マーク・ロイス氏は、これまで国際製品部門の管理(Global Product Group)と、NYに本社拠点を据える「Cadillac」ブランドの独自性を積極的に打ち出してきたが、今後は、品質・組織の責任を一手に引き受けることになる。
GM会長兼CEOのメアリー・バーラ氏は、マーク・ロイス氏の新人事について「マークのグローバルな運用経験、深い製品知識、強力なリーダーシップは、私たちGMが現在の事業を強化し、成長機会を活かし、さらに将来のパーソナルモビリティを定義するという大命題を前に大きな助けになります。
マークは、これまでも車両開発をリードする上で重要な役割を果たしつつ、電動化および、遠からず到来する自律技術の躍進に備えて、強固なチーム体制を整えてくれました」と、これまでの実績に加えて、今後のGMへの貢献についても期待を込めて話している。
一方、新社長となるマーク・ロイス氏は「これまでGMで一貫して数多く知見・経験値を得たことをとても誇りに思っています。
そして今、この新しい役割を引き受けることは本当に大きな名誉であることは確かです。現在、世界中の優れた乗用車、トラック、クロスオーバーのラインナップで、私たちの勢いを最大限に引き出す仕事に今後も、取り組んでいけることを心から楽しみにしています」とコメントしている。
2018年6月以降、マーク・ロイス氏は先の通りCadillacブランドの統括に加え、GMのグローバルポートフォリオ計画の責任者としての重責に応えてきた。
今後は、製品開発と技術開発の歩調をさらに速め、国際環境下でGM全体の成長計画を加速させていく。その一環としてキャデラックブランドでは、2021年までの期間に於いて半年毎に新型車を相次いで投入していく予定だ。
また事業戦略に於いては、製品の市場投入までの時間を短縮するために、製品開発要員の増強だけでなくプロセス自体の変革も先導していく。具体的には今後2年間で電気自動車と自律走行車技術プログラムに対して投下資源を倍増していく構えであると結ばれている。