国土交通省は10月19日、前橋市と一般社団法人前橋デザインコミッションが、第一生命保険と連携し、地域コミュニティの再生やエリア価値の向上を図る民間まちづくりの支援に「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」を活用したスキームを構築したことを発表した。
SIBを導入することで、民間事業者の創意工夫を活かせるとともに、民間事業者に対し事業開始前の資金提供が可能になり、民間まちづくりの一層の進展が期待される。
前橋市は、令和6年3月までの事業を実施し、成果指標である歩行者通行量の増加を目指す。令和3年10月末には、事業の一環として馬場川通りの自動車通過交通を制限した社会実験を実施予定だとしている。
なお、こうしたまちづくり分野において、SIBを活用することは全国初の取組になる。国土交通省は、前橋市の取組に対し、専門家の派遣などにより支援した。
■ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)について
SIBとは、あらかじめ合意した成果目標の達成度合いに応じて支払額が変わる成果連動型民間委託契約方式(PFS)の一類型であり、外部の民間資金を活用した官民連携による社会課題解決の仕組み。主なスキーム参画者の利点は以下の通り。
・民間事業者は、事業開始前の資金調達が可能。また、民間委託事業の遂行にあたり、保有ノウハウを最大限活用。
・資金提供者は、経済的な受益のみならず、社会課題の解決を資金面から支えることが可能。
・行政は、民間のノウハウを活用した社会課題の解決が可能。また、事業効果を客観的に確認することが可能。