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2024年2月22日【MaaS】

マクニカ、沖縄南城市で自動運転EVの公道・路車協調実証

坂上 賢治

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マクニカ2月22日は、沖縄県南城市に於いて自動運転EVバスの運行と、路車協調機能を連携させた実証実験を行う。なお同実証を介して将来的には、レベル4運行で必要となるセカンダリアクティビティ( 運転手が運転中にできる運転以外の行為 )を可能にするための技術検証も実施する。

 

今実証実験では、ハンドル・アクセル・ブレーキペダルのない自動運転EVバスのGAUSSIN MACNICA MOBILITY社の「ARMA( アルマ )」を手動走行させる。

 

ARMAは、自動運転EVシステムを搭載した自動運転シャトルバス。EV( 電気自動車 )仕様で1回の充電で約9時間( 100km )の自動走行が可能。
全長:4,750mm
全高:2,650mm
全幅:2,110mm
重量:2,400kg
車両総重量:3,450kg
乗客定員:10人( 乗客9名+乗務員1名 )
動力源:EV電動モーター
最高速度:速度25km/h( 国内推奨速度20km/h未満 )
自動運転レベル:レベル2( 技術的にはレベル3相当 )

 

 

南城市を実証フィールドに据えて、地域交通の維持・確保の方策を探る他、観光客の二次交通の整備を視野に、AIカメラ・センサー等を活用したリアルタイム交通情報を活用。安全かつ効率的な遠隔監視を背景とした安全性の高い自動運転モビリティによるシステム構築を目指す。

 

また併せて一部区間で、同地区の実証実験では初の走行ルート内の車両周囲の道路環境情報を可視化させたインフラ連携を視野に路車協調も実証する。

 

より具体的には、走行ルート上に設置したカメラやセンサーにより走行ルートの状況をリアルタイムで把握。安全性を評価した上で、監視者による遠隔操作や手動運転への切り替えの判断に必要な通知を行う仕組みを構築する。

 

これにより自動運転走行中に、セカンダリアクティビティが可能になるための技術検証等を行う考えだ。

 

<自動運転EVバスと路車協調の連携図>

 

自動運転EVバスの走行情報は、マクニカ製の遠隔監視システム「everfleet( エバーフリート )」に連携させ、自動運転EVバスのリアルタイムな運行状況を離れた場所から監視・管理する。

 

everfleet( マクニカ製遠隔監視システム )のeverfleet( エバーフリート )は、自動運転車の実用化には、車室内の乗客や車両周辺の状況を遠隔地からモニタリングするもの。

 

<everfleetによる自動運転EVバスのリアルタイム運行状況>

 

そのeverfleet(エバーフリート)では、モビリティの位置情報や車内外のカメラ映像に加え、車速・ステアリング・バッテリー残量などの車両データを統合して一元的に可視化し、信号機などの交通インフラと協調した外部データとの連携を担う。

 

これにより、運行状況を遠隔地からリアルタイムに把握し、安全・安心に自動運転モビリティを運用することができるようになる。

 

併せて複数地域の多種多様なモビリティを同時に群管理することや運行時の異常をシステムによって自動的に検出・通知することができるため、1人の遠隔オペレータによって、効率よく自動運転モビリティを運行管理することで、オペレーションの省人化を実現し、交通採算性の改善にも貢献する。

 

実証実験の概要
■日程:2024年2月23日(金) ~2月29日(木)
■時間:10時00分~17時00分(1日7便)
■自動運転バス:自動運転EVバスARMA
■走行ルート:知念岬公園と斎場御嶽を往復するルート

運行ダイヤ:下表の時間帯に運行
・乗車は車内(乗車中)にタブレットのアンケート回答が条件。
・交通状態や天候等による遅延や走行中止となる場合がある。
・定員が超過する場合は、乗車をお断りする場合がある。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。