Luupは10月13日、東京海上ホールディングス(以下「東京海上」)と、資本業務提携したことを発表した。
2017年より世界中で普及し始めた電動キックボードは、電動かつ小型であるため、通常の自動車に比べて移動に伴うCO2排出量が大きく削減される点が注目されている他、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、密を避ける移動手段としても普及が加速している。
電動キックボードは世界にとっても新しいモビリティであるため、各国で適切な走行ルールの模索が進んでおり、その国の公道の環境に合わせた規制が設けられている。日本では電動キックボードは原動機付自転車に該当するが、より安全に走行することができるルール整備のための実証実験が進んでいる。
東京海上は、高度化・複雑化する現代社会において、社会を取り巻く様々なリスクに対する保険や専門性の高いリスクソリューションを提供している。また、近年注目されているスマートシティやMobility as a Service(MaaS)といった領域においてもデータを用いた様々な実証実験を行い、新たなサービス開発を進めている。
Luupは、「街じゅうを『駅前化』するインフラをつくる」をミッションに、マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP(ループ)」を展開。電動アシスト自転車や電動キックボードのみならず、電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティを包括的に取り扱い、全ての人が自由に移動できる未来を目指している。こうした中、Luupは東京と大阪で電動キックボードのシェアリングサービスを実証実験として開始。サービス開始から30万km以上の総走行距離を記録しており、国内事業者において最も多くの電動キックボード走行データを保有している。
今回の資本業務提携では、東京海上とLuupが安心・安全なマイクロモビリティの利用環境の構築に向けて、電動キックボードの安全性・社会受容性向上のための協業を両社で開始する。
1. 走行データを活用したマイクロモビリティ向けの新たなサービス等の研究
東京海上は、Luupと共同でマイクロモビリティ向けの新たなサービス等の検討に取り組む。まずは、電動キックボードを含めた新たなモビリティに関して国が検討している交通ルールの内容や被害者救済の観点等を踏まえながら、電動キックボードの社会受容性向上に資するサービスや適切な補償の提供方法を検討。また、将来的には、取得する走行データを活用した新たな商品・サービスの研究等も行う。
2. Luup事業における電動キックボードの安全性向上
電動キックボードは手軽に移動できるモビリティではある一方で、社会全体の交通ルールの認知が十分とは言えない状況であり、一部のユーザーの違反走行が社会問題化するなど、現時点では十分に安心・安全な乗り物としての評価が確立されているわけではない。Luupでは、これまで数多くの実証実験等を通じて、電動キックボードをシェアリングサービスとして安心・安全な形で提供するノウハウを蓄積してきたが、今回、ここに安心・安全の提供を使命とする東京海上が参画することで、安全性・社会受容性を更に高めていくことを目指す。具体的には、Luupのサービスを含む電動キックボード全般について、包括的なリスクアセスメントを行った上で、LUUPの危険走行を減らすためのユーザーコミュニケーションのあり方の検討や、より安全度の高い機体の開発を共同で実施していく。