Luupは1月21日、準天頂衛星システム「みちびき」のサブメータ級測位補強サービスを用いて、高精度な機体の走行場所検知のための実証を開始すると発表した。
Luupは、2021年4月より経済産業省の「新事業特例制度」の認定を受け、電動キックボードシェアリングサービスの実証実験を行っている。サービス開始以降、多くのユーザーにサービスを提供する中で、電動キックボードのシェアリングサービスで一般的に活用されているGPSでは、車道と歩道の区別など機体の正確な走行位置が測位しきれないという課題があった。
準天頂衛星システム「みちびき」とは、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムのことで、「日本版GPS」と呼ばれることもある。これまでの衛星測位サービスは米国が運用するGPS衛星を利用していたが、都市部や山間部ではビルや樹木などに電波が遮られて位置情報が安定的に得られないことがあった。そこで、GPSを補完し、高精度で安定した衛星測位サービスを実現するみちびきの運用が2018年11月より開始された。その優位性から、地理空間情報を高度に活用した位置情報ビジネスの発展が期待されている。
今回Luupは、みちびきを利用した電動キックボードサービス走行位置把握実証事業が採択されたことにより、サブメータ級測位補強サービスを用いて、精度の高い走行場所検知の実現に向けた実証を行っていく。
なお、この実証事業は、内閣府及び準天頂衛星システムサービスが公募した「みちびきを利用した実証事業」において採択されている。
■実証内容及びスケジュールについて
<実証内容>
①サブメータ級測位補強サービス対応受信機 QZ1を電動キックボードに取り付け、走行データの収集と定期的な分析を実施
②歩道走行/車道走行を判定(※6)可能か検証し、今後の実用化に向けた指針を作成
<スケジュール>
2021年7月〜2021年11月:実証用電動キックボードの調達及び受信機装着のための改造 ※実施済み
2022年1月〜2022年2月:都内エリアでの走行を通じて、位置情報測位データを収集
2022年3月〜:走行データの分析を行い、走行箇所判定の精度を検証