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2021年3月5日【エコノミー】

業績修正の上場企業、75.3%が上方修正へ。TDB調べ

NEXT MOBILITY編集部

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帝国データバンク・ロゴ

 

 

帝国データバンク(TDB)は3月5日、3月を決算月とする上場企業のなかから、これまで2021年3月期の業績修正を公表した企業をピックアップ(2021年2月28日現在)し、各種動向を調査した結果を発表した。

 

 

同調査は、2020年3月期の業績発表資料(決算短信)に記載された2021年3月期の年売上高(予想)とその後発表された業績修正資料(適時開示、決算短信)に記載された年売上高(修正予想)を比較(原則として連結決算の数値で比較)。年売上高が増加した場合は「上方修正」、減少した場合は「下方修正」としてカウント(複数回にわたり業績修正を発表している場合は最新の数値で比較)した。そのほか発表時期や市場別、業種別についても調べている。同様の調査は今回が初めて。

 

 

同調査結果の要旨は以下の通りとなる。

 

 

<調査結果(要旨)>

 

業績修正企業動向

 

 

1. 2021年3月期決算(通期)の業績修正を発表した上場企業は2021年2月28日までに802社。そのうち上方修正(年売上高増加)が604社、下方修正(年売上高減少)が198社。

2. 802社が業績修正を発表したのは計978回となり、月別では2021年2月(394回)が最多。

3. 市場別では「東証1部」(525社)、業種別では「製造業」(389社)が最多

 

 

 

 

◾️上方修正が75.3%を占める、月別では394回の2月が最多

2021年2月末時点で2021年3月期決算(通期)の業績修正(年売上高の修正)を公表した上場企業は802社となり、そのうち604社(構成比75.3%)が「上方修正」(年売上高の増加)、198社(同24.7%)が「下方修正」(年売上高の減少)だった。  

802社のなかに業績修正を複数回行った企業が183社あったため、802社が発表した業績修正は計978回となった。これを月別に見ると最も多かったのは「2021年2月」で394回。さらに同394回を上方修正または下方修正すると上方修正が313件(構成比79.4%)となった。

 

 

 

 

◾️「製造業」が全体の48.5%を占める

市場別に社数をみると「東証1部」(525社、構成比65.5%)、「ジャスダック」(119社、同14.8%)、「東証2部」(98社、同12.2%)「東証マザーズ」(37社、同4.6%)の順となった。   また、業種別(大分類)にみると、最も多かったのは「製造業」(389社、構成比48.5%)で、「卸売業」(91社)、「サービス業」(81社)が続いた(「その他」を除く順)。上方修正の比率が高かったのは「製造業」(構成比79.9%)、「サービス業」(同74.1%)、「卸売業」(同73.6%)など(「その他」を除く)。

 

 

 

 

◾️10%未満の増加が全体の62.0%を占める

上方修正(年売上高が増加)となった604社と下方修正(年売上高が減少)となった198社の年売上高の増減分布を8階層(上方・下方修正それぞれ4階層)に分けて見ると、最も多かったのは「5%未満の増加」(329社、構成比41.0%)で、以下「5%~10%未満の増加」(168社、同20.9%)、「10%~20%未満の増加」(83社、同10.3%)と続き、年売上高が10%未満の増加となった企業が全体の62.0%(497社)を占めた。

 

 

 

 

◾️引き続き不確定要素の多い事象が続くことが予想される

2021年3月期決算(通期)の業績修正を発表した企業は802社となった。そのうち「上方修正」が604社、「下方修正」が198社となり、上方修正が下方修正の3.1倍となった。  

上方修正か下方修正かを判断するための基準となる2020年3月期の業績が発表されたのは1回目の緊急事態宣言発令後であったこともあり、新型コロナの脅威を認識し、2021年3月期中においてその影響を受ける可能性が高いと判断した企業が多かった結果と言えよう。  

一方、2月に国内でのワクチン接種が開始されたことは2月の上方修正発表が月別で最多(313回)になったことに少なからず影響し、さらに313回となったことは株価3万円突破の一要因になったとも言えよう。  生活スタイルの変化によって苦戦を強いられている企業が増えた一方で、巣ごもり需要等の新たな需要を取り込んだ企業は着実に業績を伸ばしている。引き続き不確定要素の多い事象が続くことが予想されるなか、各社は2022年3月期の業績予想をどのように導き出すのだろうか。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。