イタリア共和国記念日の6月2日、セルジオ・マッタレッラ大統領は大統領専用ランチア・フラミニア号に乗って共和国記念日を祝う軍事パレードに参加した。
1957年のジュネーブモーターショーで発表され、2.5リッターV6エンジンを搭載したランチア・フラミニアは、発表当時は好調な販売数に続き、コーチビルダーによる特別シリーズが仕立てられた。
1961年にピニンファリーナは、ホイールベースの寸法をセンチメートルで示す「335」として知られるロングホイールベースの大統領専用カブリオレを生産。以降、同車はイタリア大統領の公用車となっており、高級な内装と仕上げを備えたフラッグシップとして、その流線型の形状、空気力学、持続可能性、ボリュームの流動性などの点で、同ブランドの将来の車のデザインにインスピレーションを与えた9つのランチアモデルのうちのひとつと謳われている。
ランドーレット (前部座席の上にハードルーフがあり、後部がオープントップになっている公用車の典型的なボディ)は、4つのモデルのみが製造され、すべて専用のフロア、大臣の青い塗装、高級な黒のコノリーレザーの室内装飾、インターコム、5つの後部座席を装備していた。
新しい公用車で最初にもてなしを受けたVIPはエリザベス2世女王で、その後、ジョン・F・ケネディ、シャルル・ド・ゴール(それぞれ米国とフランスの大統領)など多くの政治家、国家元首、君主が続いた。そのため、この公用車は世界中でイタリア精神の親善大使となった。