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京都市では3月8日、公共交通の担い手不足解消のため路線バス・タクシー乗務員のイメージアップと求職喚起を図るPRを実施する。
現在、全国的に路線バス・タクシーの運転手不足が深刻化。京都市域でも法人タクシー運転者は登録者の減少に加え、運転者の平均年齢が60歳を超え高齢化も進んでいる。また路線バスの運転に必要な大型二種免許の府内交付件数は年々減少を続けており、新たな担い手の確保が大きな課題となっている。
しかし路線バス・タクシー運転手は、京都市の生活者にとって日々の暮らしに欠かせず、観光客の足としても重要な存在だ。また、路線バス・タクシーは、ひとの心に残る思い出が生まれる仕事でもある。
そこで京都市では、路線バス・タクシー運転手の魅力を発信するべく「#もしもあの時、バス・タクシーがなかったらキャンペーン(募集期間:令和6年2月1日~20日/応募総数:150通)」から収集したエピソードを基とした採用サイトを作成した。京都市では、「市内を運行する各交通事業者の採用情報も掲載していますので、ぜひご覧下さい」と話している。
そのエピソードの一例は以下の通り
〇京都市 30代女性
娘をベビーカーに乗せたままバスに乗ったとき、降りる停留所で座席のベルトを外し、ベビーカーのロックを解除し…とバタバタ焦っていたところ、運転手さんが「ゆっくりで大丈夫ですよ、お待ちしていますので。」と優しく声をかけてくださり、安心してゆっくり降車することができました。心もホッとあたたかくなり、またバスでお出かけしたくなりました。
〇京都市 10代男性
私は家から学校までバスを使って登校しています。そのときの楽しみの一つに毎日移り変わるバスの中を見るというもの。なぜこんなことが楽しいのだろうかと考えたとき、ある一つの出来事が浮かびました。
京都に珍しく雪が降り、バスも遅延して、とても混雑した車内でした。バス停につくたびに、たくさんの方が乗られます。そこでみんなが席を譲り合っていました。
みんながしんどいのに譲り合っているのを見て、私は感動しました。この光景を見てから、私はバスの車内を眺めるのが好きになりました。将来、私はバス業界に就職したいと思っています。バス、こう思わせてくれてありがとう。
〇横須賀市 30代女性
友達と京都旅行をした時のことです。夜間ライトアップされた美しい寺院を参拝し、〆にはあったかいラーメン。こうして目もお腹もいっぱいになり、宿へ帰ろうと歩いていたら道に迷ってしまいました。
地図を見ても目印はなく、スマホの充電はみんな残り僅かでGPSも使えない状態に…。不安と寒さが染みる中、奇跡的に一台のタクシーが通りがかったのです!その瞬間、全員で必死に手を上げて乗せてもらいました。
さすが運転手さんは京都通で、宿名を告げるとすぐに連れて行ってくれました。あの時のホッとした気持ちは今でも忘れません。また京都に旅行したらお世話になりたいと思います。