NEXT MOBILITY

MENU

2022年9月15日【イベント】

学生フォーミュラ日本大会2022、京都工芸繊維大が総合優勝

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

公益社団法人・自動車技術会は8月下旬から9月上旬に掛けて、「学生フォーミュラ日本大会2022( Formula SAE Japan )」を開催し、その結果を9月15日に発表した。( 坂上 賢治 )

 

そんな学生チームが自作したフォーミュラースタイルのレーシングカーで競う「学生フォーミュラ日本大会2022」は、世界規模で設定された共通の大会ルール下で開催。

 

 

そもそも米国で1981年から始まった当地の〝フォーミュラSAE〟に倣って、2003年に日本国でも同競技が発足。69チームが参加した今大会は、記念すべき第20回目を迎えた。それは純粋なレース競技でありながらも、学生達が全力で挑む日本最大級の〝総合モノづくりコンペティション〟でもあるのだ。

 

 

それは日本の自動車産業界を牽引するべく新たな人材育成を担うという大きな役割を持っており、各参戦チームは、車両開発では個々にベンチャー企業としての立場を想定した格好( 販売戦略・コスト管理・開発・走行性能が審査される )でフォーミュラタイプのレーシングカーを自作。その上で製造物としての出来映えと、純粋な走行性能かが試される。

 

大会スケジュールの皮切りは、静的審査の「Cost & Manufacturing Event( 原価・製造イベント )」・「Presentation Event( プレゼンテーション・イベント )」・「Design Event( デザイン・イベント )」が8月23日~9月1日にオンライン上で実施された事により始動。

 

 

その後、動的審査の「Acceleration Event( アクセレーション・イベント/直線コースでタイムを競う )」・「Skidpad Event( スキッドパッド・イベント/8の字コースを走行しタイムを競う )」・「Autocross Event( オートクロス・イベント/周回コースで1ラップのタイムを競う )」・「Endurance Event( エンデランス・イベント/オートクロスと同様の周回コースを連続走行しタイムと燃費を競う )」の4診査。

 

 

加えて静的審査の「Design Final Event( デザインファイナル・イベント )」の都合5審査が9月6日~10日の5日間に亘って、静岡県袋井市/掛川市のエコパ(小笠山総合運動公園)で開かれた。なおこの中で、動的審査にあたるエコパに於ける競技開催は実に2019年以来の3年ぶりの開催となっている。

 

 

エコパ(小笠山総合運動公園)での実戦競技では、車検/動的審査辞退を除く54チームが競技に参加(国内ICV(ガソリン自動車)クラス:42チーム/国内EV(電気自動車) クラス:12チーム)。

 

 

結果2022年の勝者は、2017年の第15回大会以来5年ぶりの栄冠(総合優勝)を勝ち取った京都工芸繊維大学となった。

 

 

勝敗の流れでは、総合優勝を果たした京都工芸繊維大学が、事前にオンライン上で実施した静的審査で好成績を残した状態から始まり、これを受けてリアル競技のエコパ(小笠山総合運動公園)でプレッシャーを受けいた京都工芸繊維大学中は最終的には2位以下に大差をつけてフィニッシュした。

 

 

またカテゴリ別分類となるICVクラスの1位は同じく京都工芸繊維大学( #.6 )、EVクラス1位は静岡理工科大学( #.E06 )という結果となった。

 

 

なお今年、EVクラスで持てる力量を存分に発揮した静岡理工科大学は、かつてICVクラスで好成績を残してきたライバルチーム達がEVにクラスチェンジする中でも2013年~2015年まで連続してEVクラスを制してきたのだが、今回は7年ぶりのEVクラス1位に返り咲いた。

 

 

来場者数:8,945名(コロナ禍により来場制限を実施)

開催日 来場者数(延べ人数)
9月6日(火  ): 1,595名
9月7日(水)  :1,652名
9月8日(木)  :1,870名
9月9日(金)  :1,921名
9月10日(土):1,907名
計 8,945名

 

関連リンク

学生フォーミュラ日本大会公式ページ
公式YouTubeチャンネル 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。