京セラは10月18日、「CEATEC AWARD 2021」の2部門にて準グランプリを受賞したことを発表した。
CEATEC AWARD 2021は、CEATEC 2021 ONLINEに展示される技術・製品・サービスなどの中から、出展者が事前に応募した出展品・案件について、「CEATEC AWARD 2021 審査委員会」が学術的・技術的観点、市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れていると評価できるものを審査・選考し、表彰するもの。
今回、京セラ開発の「スマート無人レジシステム」がデジタルトランスフォーメーション(DX)部門賞にて、また、長崎大学と共同開発した「エナジーハーベスト型スマートブイ」がカーボンニュートラル部門賞にて、両製品ともに準グランプリを受賞した。
■スマート無人レジシステム
独自の物体AI認識技術を搭載した、画像認識型の無人レジシステム。1台のカメラで重なった商品や果物など、複数の個体を認識することができる。AI学習により、新規商品登録時の時間も削減でき、また、カメラ1台とPC、ディスプレイを設置するだけで利用できるため、導入コストの低減も実現。店舗での省人化やコロナによる対人接触機会削減に貢献する。
– 受賞理由
店舗運営の効率化や省人化ニーズに加え、感染対策による対人接触の削減ニーズにも対応するスマートレジシステム。独自の画像認識AIにより、1台のカメラで重なり合った複数の商品を認識することが可能で、利用者負担の軽減や店員のサポートも削減できる。また、導入機材が少なく、新規商品の追加登録(AI学習)が可能なのも導入や運用のコスト削減に貢献する。
スーパーなどの店舗だけでなくレストランなど異なる業務形態、点検作業や自動運転など他の画像認識技術への応用が見込まれる点も評価された。
■エネジーハーベスト型スマートブイ
京セラのIoT技術と、長崎大学の潮流発電技術の融合により実現した「エナジーハーベスト型スマートブイ」。データ取得・通信に必要な電力を、海洋ブイに搭載した潮流発電システムで賄うため電源供給の必要がなく、海上においても、長期間安定したデータ取得が可能となり、海の見える化に貢献する。
– 受賞理由
海洋汚染や海水温上昇などの環境問題に対して継続的な海洋データの収集の必要性が高まっている。そのためには、安定した電源供給が課題となっていたが、長崎大学との共同研究により、必要な電力をブイに搭載した潮流発電システムで賄うエナジーハーベスト型スマートブイを開発。時間で変化する潮流速度に対応する高効率なタービンなどにより、発電量が消費電力を上回ることが実海域試験で確認された。海洋産業のDX化を起こすものとして、漁業や海洋調査などの様々なシーンでの「海の見える化」に期待される。