クボタは10月26日、欧州機械事業統括子会社の「クボタホールディングスヨーロッパ(オランダ/以下、KHE社)」に於いて、トラクタ用作業機器(以下、インプルメント)を製造・販売する「Pulverizadores Fede(スペイン/以下、フェデ社)の買収を決定したと発表した。
果樹栽培では、穀物などの畑作分野と比べて機械化や精密化が進んでおらず、環境規制の強化等、薬剤使用量低減が求められる防除作業に於いて、スマート農業技術の活用がとりわけ期待されていると云う。
クボタでは、果樹栽培が盛んな欧州をトラクタ事業の重要市場と位置付け、その作業に適した車幅の狭い「ナロートラクタ」などを販売。
フェデ社は、果樹栽培の防除作業(薬剤散布による殺虫、殺菌)に使用する「スプレイヤー」と呼ばれる薬剤噴霧用インプルメントの専業メーカーとして、スペインやポルトガルを中心に事業を展開。散布対象の樹木の高さをセンサーで測定し、薬剤の量や風量をリアルタイムに制御して噴霧するスプレイヤーや、散布場所や薬剤量などの情報を地図上で管理できるシステムなど、独自技術を実用化している。
今回クボタグループは、果樹向けインプルメントのラインナップ増強を目的に、フェデ社の株式を100%取得し、完全子会社とすることを決定。トラクタとインプルメントの連携強化を進めることで、薬剤の使用量を抑えた効率的な散布による環境負荷低減や燃費低減に貢献していくと云う。また今後は、グループが関わるスタートアップとの連携も視野に、果樹市場での事業拡大を加速していくとしている。
[会社概要]
<フェデ社>
– 会社名:Pulverizadores Fede, S.L. (プルベリサドーレス フェデ社)
– 事業内容:果樹向けスプレイヤーの製造・販売
– 設立年:1967年
– 本社所在地:スペイン王国バレンシア市
– 代表者:Federico Pérez Salvador(フェデリコ ペレス サルバドール)
– 従業員数:45名
<KHE社>
– 会社名:Kubota Holdings Europe B.V.(クボタホールディングスヨーロッパB.V)
– 事業内容:欧州機械事業の統括
– 設立年:2017年
– 本社所在地:オランダ王国 ニーウフェネップ
– 代表者:花田 晋吾