コマツは11月18日、国土交通省の「宇宙無人建設革新技術開発推進事業(国交省主担当、文科省連携)」の「無人建設(自動化・遠隔化)に係る技術」の実施対象の一つとして、同社の「月面建設機械のデジタルツイン技術構築」が選定されたと発表した。
今後は、省庁連携「無人建設革新技術開発推進協議会」の下、個別の技術研究開発のひとつとして活動を進め、国が目指す建設事業の高度化の実現と、近い将来の月面等宇宙開発に於ける建設活動に資する研究開発に貢献していくとしている。
国交省は今年7月、「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」の一環として、「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」の実施を決定し、その事業者を公募。その内の「無人建設(自動化・遠隔化)に係る技術」の実施対象の一つとして、コマツの「月面建設機械のデジタルツイン技術構築」が選定された。
月面では現物へのアプローチが困難なため、現場環境や実機を精度良くサイバー空間に再現する「デジタルツイン技術」が非常に重要となるが、今回コマツは、将来の月面建設機械の基盤技術となるこの技術の構築可能性を検証するフィージビリティスタディ(実現可能性検証)を担当。
具体的には、サイバー空間上で油圧ショベルを作成・動作させ、地球上の実機との挙動と比較することにより、シミュレータの精度を検証するほか、サイバー空間を月面環境に設定し、シミュレータ上の車体挙動を確認することにより、月面建設機械の課題を抽出する。
なお、研究開発にあたっては、2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画に於いて、「モノ(機械の自動化・自律化)」と「コト(施工オペレーションの最適化)」で「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」の実現を目指して取り組んできた「モノ」と「コト」の技術を活用していくと云う。
コマツは、次の100年に向けて、今後もものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓くことを目指すとしている。
■(国土交通省)月面等無人建設革新技術開発推進プロジェクト:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/sosei_constplan_tk_000045.html