神戸市と、日産自動車ならびに、兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売、神戸酒心館の5者は、11月25日、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結した。
協定は、神戸市が「台風、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売より貸与される電気自動車(EV)の日産リーフを非常用電源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める」というもの。
さらに、災害発生により神戸市内での水の確保が困難となった際には、神戸の酒造メーカーである「神戸酒心館」が所有する飲料水を、日産リーフで運搬し、市民へ提供する。
この協定の締結により、神戸市では、災害時に市民に電気と水の供給が可能となる。
なお、日産が自治体・企業と締結した災害連携協定は、今回の提携で全国14件目。災害時の電気と水供給という組み合わせの協定締結は、初の取り組みとなる。
[協定の概要]
・日産および兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売は、神戸市で災害発生を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、日産販売会社の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
・神戸市、日産自動車、兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・神戸酒心館は、災害発生により、神戸市内で水の確保が困難な場合に、自社で所有する飲料水を、日産の電気自動車(EV)にて運搬し、市民へ提供することで、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る(貯水槽の容量は、72,000リットルとなり、1日あたりの摂取量を約1.5リットルとした場合、1日100人分で480日間の飲料水を提供することが可能)。
・貸与した「日産リーフ」から神戸酒心館にて電力供給し、神戸酒心館を一次避難所として活用することや、帰宅困難者に対し、携帯電話の充電やKOBE FREE Wi-Fi通信利用サービスを提供し、安否確認の情報収集などに活用できる体制構築を検討する。
日・産の環境教育プログラム「わくわくエコスクール」を、神戸酒心館の主催する市民参加の田植え活動に合わせて実施し、共同で環境への啓蒙活動を実施することを検討する。
神戸市では、日頃から、災害が起きた際にも市民の安全・安心を確保できるよう様々な防災体制を強化しているが、今後、より災害に強い街づくりに向けた次世代自動車普及を目指して、電気自動車をはじめとする次世代自動車や、外部給電器購入時への補助金交付制度の導入を検討する。
日産は、電気自動車(EV)の販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のため、「ブルー・スイッチ」等、EVの生み出す新たな価値を発信し、よりよい社会づくりに貢献していくとしている。
神戸酒心館は、平成7(1995)年1月17日に発生した、阪神淡路大震災で大きな被害を受けたが、各方面からの支援によって復興。来年、阪神淡路大震災発生から25年目迎える神戸市で、市の防災、減災に対する取り組みなどを参考に、「住み続けられるまちづくり」(SDGs:11)に寄与するため、神戸・灘五郷から自然環境を大切にする酒蔵を目指すとしている。
神戸市、日産、神戸酒心館は、この協定締結を機に地域防災力向上、環境活動での連携を強化していくとしている。