MARITIME搭載 客船「飛鳥Ⅱ」
KDDIは2月14日から、米スペースX社が手掛ける衛星回線網「Starlink( スターリンク )」を使った海上に於ける〝領海外ブロードバンドサービス〟の提供を開始する。
ちなみにKDDIは2021年9月、高度500キロメートル程度の低高度を回る衛星を使って通信網を構築したスペースX社と業務提携を結び、au基地局のバックホールにStarlinkを活用。これによって山間部や島しょ部で、都市部と同様の高速通信が可能になるよう順次、通信環境の構築を進めてきた。
また2022年10月からは「認定Starlinkインテ―グレーター」として法人・自治体向けに「Starlink Business」の提供を開始。建設現場や屋外施設の遠隔監視、災害対策など様々な場所でブロードバンドサービスの利用環境が広がっている。
加えて、Starlinkを活用したauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」、公衆Wi-Fiサービスと組み合わせた「山小屋Wi-Fi」、各種催事会場での「イベントWi-Fi」の提供など、企業や自治体のニーズに合わせたソリューションやサービスの提供も拡充してきた。
そして今回、Starlink Japan( スペースX社の日本法人 )が提供するサービス条件の変更により、日本の領海内を含む全ての海域に於いて、Starlinkを使用することが可能となった。
この動きに伴い、同社が2023年7月からサービス提供してきたMARITIMEは、制度の改定で利用可能エリアが既存の領海内から領海外へと拡大する。より具体的には、領海の基線からその外側12海里(約22km)を超える接続水域、排他的経済水域、公海でStarlinkが利用可能となる。
Flat High Performanceアンテナ
それらの結果、公海などで運航する大型旅客船や遠洋漁業船、学術研究船などでもリアルタイムでの気象情報や海洋情報の取得や送信ができるようになり、安全な運航の支援や、データを大量に取り扱う海洋研究のDX化、船舶の自動航行の実現が近づく。また緊急時の迅速な連絡手段の確保や長期乗船という特殊な環境下で働く船員の満足度向上などの課題解決にも繫がる。
なお2024年2月9日から、郵船クルーズが運航する客船「飛鳥Ⅱ(50,444トン)」へStarlink導入も決定。当該客船では領海内外で高速インターネット接続が可能になる。
いずれも当該に係る提供サービスとしては、航海中にダウンロード速度最大220Mbpsの通信環境が利用可能になる。設置されるアンテナは「Flat High Performance」タイプで、設置面積が小さく、デッキ上のスペースを占有することなく設置することが可能だ。
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